クレソン
満月
 2021年3月29日(月)

3月の満月です。

ニサンの月、過越祭、イースターの日を知るためには月の満ち欠けによる暦が必要です。月齢14日や満月の後の日曜日など、グレゴリオ暦では毎年日にちが異なるためです。

3月の満月をずっと待っていました。
2月の新月から満月まで毎日調合し、今日の満月まで熟成させていたキフィが完成しました。
完成と成果を知る日です。
夕方に焚くもののようですので、月の出の頃に合わせて準備をします。

キフィ

匠くんは五右衛門風呂の壁作り、私は食材探しの野草摘み。

風呂小屋

これまで厳しい寒さの中で入っていた露天風呂は春の陽気でだんだん入りやすくなってきました。半分外壁が張られ、風の寒さも半分に、これまで見晴らしていた露天感も半分に。

お風呂の蓋

普通の構造物は完成してから使います。作り途中の状態で家もお風呂も施工しながら暮らしていると、多少の不便感は「ないよりはまし」となります。何もないところから作り出しているので、「あるだけありがたい」という気持ちの方が大きいです。それがいつの日か「あることが当たり前」「ここが不便」となるのですから、慣れとは意識の降下のようなものです。

蓋を引っ掛ける自動フック

この「あることが当たり前、もっと便利に、もっと新しいものに、」という概念が今の社会の常識です。当たり前ではない与えられた暮らしの中で、不便さを楽しめる生活ができたら見えてくるものがあるかもしれません。
多くの人がわざわざキャンプに出かけるのは、与えられていない環境の中で自分でやってみることへの楽しさがあるからだと思います。

匠と床
櫻始開(さくらはじめてひらく)
 2021年3月25〜29日

七十二候 櫻始開さくらはじめてひらくの候です。

七十二候の第11候
櫻始開(さくらはじめてひらく)
春分 次候
3月25日から29日頃まで

七十二候とは1年間を72等分にして季節を読み解く暦です。自然現象や植物の芽生え、虫や動物の動きをとらえて表しています。
二十四節気が半月ごとに対して、七十二候は5日ごとにやってきます。15日間隔の二十四節気を3つに分けて、初候・次候・末候と区分し季節の名前をつけています。

よし子と床

五右衛門風呂の床を作っています。
洗い場の床は那須の温泉場からヒントを得て、傾斜をつけた下地材の上に隙間を開けて床を張り、溝になったところから水が流れるようにしてみました。
材には液体ガラスを塗りました。

脱衣所の床はこれまで使ってきた端材を使って張りました。色がまちまち、節のところに穴があったり、材がカビているものもあります。
「気になるのは最初だけだよ。」
使っているうちに気にならなくなるそうです。
蜜蝋キャンドルの残りと米油をまぜて蜜蝋ワックスを作りました。
あるもので作るシリーズ、脱衣所の床。
杉の端材、リサイクル蜜蝋ワックス仕上げ。
気になるのか、ならなくなるか…。

キセキレイ

キセキレイがやって来るようになりました。
毎朝屋根の上にとまってこちらの様子を伺っています。昨年ここで孵った子かもしれません。とてもかわいいのですが、工房に巣を作られないように見張っていなければなりません。

ヤマドリの羽

敷地内でヤマドリを見つけました。
キジに似ていますが、キジ目キジ科ヤマドリ属、日本の固有種だそうです。
羽がすごく綺麗です。

この山には色々な動物が住んでいます。
水や土もシェアして暮らしているので、わたしたちも動物に習ってできるだけ自然にある状態を保ちたいと思います。

匠と花
大犯土
 2021年3月23日(火)

今日から大犯土(おおつち)です。
陰陽五行思想による六十干支の組み合わせの庚午(かのえうま)から丙子(ひのえね)までの7日間が大犯土の期間です。大犯土の後、1日あけて戊寅(つちのえとら)から甲申(きのえさる)までの7日間は小犯土(こつち)の期間です。
この期間は土を犯してはならないといわれ、穴掘り、種まき、木の伐採などの土いじりは慎む日とされてきました。 調べてみると「土公神」が土にいるので土を犯してはならないとのこと。古くは犯土とは地鎮祭のことで、それが転じて土を犯すべからずになったとの記述もありました。

森林組合のサイトで犯土表を掲載しているところもあり、木の伐採を仕事としている人たちの中にはこの暦を使っている人たちがいます。もちろん、知らない気にしないという人たちもいます。暦の使い方は人それぞれ、暦を使って暮らしやすくなれるよう、今の時代にあった暦の用い方ができるといいですね。

わさびの花

わさびの花が咲いています。
花わさびを80度のお湯で10秒ほど湯がき、塩と砂糖で揉んで蓋付容器に密閉して3時間。漬け汁(今回はしょうゆとメープル)を加えて冷蔵庫で一晩寝かせれば出来上がりです。
わさびのツンとくるあの香りが飛ばないよう、蓋をきっちりと閉めることがポイントです。葉でも作れますが、花が咲くそのタイミングで花わさび漬けを楽しんでいます。
春はフキノトウや菜花など、花芽をいただけることが楽しみな季節です。日差しも伸びいろいろな花が咲いてきて山の中にも色が芽生え始めました。

よもぎスコーン

友人がよもぎスコーンを焼いて遊びに来てくれました。
同じ福島県でもはからめランドはまだよもぎ待ち。そろそろかなぁと季節の時間差を楽しみました。

すみれ

太陽の季節、人も植物も動き始める季節です。
親と過ごしていた頃にはお彼岸になるとおはぎがいただけたことを思い出しました。都会にいた頃にも食べ物で季節や暦を感じていたのだなと懐かしく思います。
彼岸の入りの日には埼玉から友人がお花を持って遊びに来てくれました。
今日は彼岸明けです。
花とスコーン、友人とのしばしの時間がこの山に春を告げにやってきてくれたように思えます。

雨で少し水かさが増した沢
社日
 2021年3月21日(日)

雑節の社日(しゃにち)です。
社日は春と秋にあります。春分、秋分に一番近い戊(つちのえ)の日で、春には五穀の種を供えて豊作を祈願し、秋にはその年の収穫に感謝をする日とされています。
社という漢字には「土地の神、つちの神」という意味があります。
この頃から田畑の準備がはじまります。

落ち葉で堆肥

「暑さ寒さも彼岸まで」。
「一雨ごとに春めく」「一雨一雨暖かくなる」
自然を捉え、言葉にして生活のリズムを表現していくことが暮らしの暦でもあったのでしょう。
沢の氷も溶け、春の陽気を感じます。
今日は雨、外作業はお休みして一筆箋の印刷をしています。
一筆箋はカレンダーの裏紙を利用して作っています。
紙を大切に扱うようになると見える世界も変わってきます。

石を敷く

昨夕宮城県沖で震度6の地震がありました。
東日本大震災から10年10日。
地震が起きた直後のニュースでは「原子力発電所のモニタリングポストでは異常はみられませんでした。」と伝えるようになりました。「異常がみられました。」という自体が起きた時にはどうしたらいいか考えておかなければなりません。「ただちに避難」なのか、「ただちに健康への影響は起こらないのでマスクをして外出を控える」なのか。

フリーエネルギー研究所、水素エネルギー発電所、地熱発電所、潮汐発電所、発酵エネルギー発電所、超自然現象発電所、いろいろな発電機関に移行していったら人々の意識も変わりそうです。
現代の技術で可能な自家発電システムにして、市町村レベルでエネルギー統括をしていけば大規模の発電所を維持しなくてもよさそうです。発電所跡地は巨大な公園美術館にして、芸術性の高い建築家に設計をしてもらってアートエキシビジョンをするとか、ピラミッドのような今世紀初のモニュメント墓標として世界に遺すなど、発想の転換ができたらいいですね。

篠田桃紅の本

写真家の方に10年前に震災後の福島の風景を撮った作品を見せていただきました。それから10年経ち、その変化を記録しようと現地に行ったそうです。10年前に訪れたところはところどころ入れないようになっていて、まるで封印されているかのようだったと言っていました。
汚染土と呼ばれたトン袋に入れられた多数の土たちは埋め立てられてその姿は見えなくなり、人の住まなくなった家々の敷地には「立ち入り禁止」「不審者通報します」の張り紙、同じ場所に立つことができなくなり、その変化を伝えることを遮られているように感じたそうです。
風化し忘れられ、時とともに誰も気にしなくなるまでそのままにしておくのでしょうか。

芸術家には悲しみや苦しみ憤りや失敗を作品という表現方法で伝えることができます。作品という記録には作家の目を通してその時代を映し出すことができます。
100年1000年後に真実を知るためには、人々が記憶してる10年単位で記録を残していかなければ本当のことは伝えられません。教科書に載っている100年以上前の歴史は、誰かが都合よく書き記した歴史かもしれません。本当のことは体験したひとりひとりにしかわからないものだからです。

作業中の匠

ジャーナリズムに関わる方々には、今が人生の本番ですと伝えたい。
香港で起きたこと、ミャンマーで起こっていること、日本ではまだ起こっていないけれど確実に存在していることにフォーカスできるのは、見れる目と伝える役割を持った人たちです。

福島第一原子力発電所では4000人くらいの人が働いているそうです。
1号機から6号機まで、2011年3月11日の爆発以降、未だ終わらぬ作業が続いています。
「津波により電源を失い、原子炉を冷やすことができず水素爆発により、放射能物質を閉じ込める機能も喪失」されている原子力発電所で働いている人たちがいます。
働く人、その家族、その地域に住まう人々は地震が起こるたびにどう思っているのでしょうか。人も植物と同じように大地に根ざして生きるのですから、誰もがそう簡単に引っ越すことなどできません。
廃炉にするにも誰かが働かなければならないのです。

どこかの国では紛争が、弾圧が、洪水が起きています。
オリンピックよりも先に、この国では地震が起こることへの準備をしなければならないと思います。


春分
春分
 2021年3月20日(土)

「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という趣旨の国民の祝日、春分の日です。
春分、秋分を二分といい、夏至と冬至の二至と合わせて二至二分という季節の分かれ目の呼び方があります。天文学上では春分の日から夏至までを春としています。

落ち葉で堆肥

日脚も伸び、外での作業も苦にならない気候になってきました。
通路の落ち葉を片付け、その落ち葉で堆肥づくりをしています。
道がきれいになり畑に入れる堆肥もできる、山の生活には無駄なものなんてないのだと気づかせてもらいます。落ちている枯れ枝は五右衛門風呂を沸かす燃料として、土から出てきた石は敷石として活用しています。自然界にあるものは土から生まれ土に還るという永遠のサイクルを繰り返しています。人間も自然界の中で生きていることを感じながら暮らしていると、植物や動物、微生物たちとつながっていることを考えて暮らすようになっていきます。不思議な力を使わなくても自然界とのコミュニケーションがとれるようになるのは、自然の中で暮らしているから。自然の中に身をおけば誰でもわかるようになるのだということがわかります。

お風呂場壁貼り

露天風呂だった五右衛門風呂に壁を張り始めました。柱や梁には生えていた杉やヒノキ、栗の木を使っています。購入した壁材が足りないのですが、ある分だけでも張り始めようと匠くんはドット思考で施工しています。
同時進行で洗濯機の排水工事、床下に潜って排水管を埋めていきます。一昨年の落雷で洗濯機が壊れてから長い月日が経ちました。家でお風呂に入れる、洗濯ができるというのは当たり前のように思えるかもしれませんが、何もないところからできるようにするまでにはたくさんの知恵と作業が必要だということがわかりました。水を引き電気を通し水を流す、この一連の流れを当たり前の水準までもっていった日本の暮らしはすごいと思います。
バングラデッシュの裕福な友人は洗濯機を持っていませんでしたし、韓国の友人もお風呂で洋服を洗うと言っていました。誰もが当たり前のようにできるその当たり前は、誰かがつくってくれたものの上で成り立っています。

自然界にあるものは自然に還るサイクルになっています。人間が生活のためにつくったものは人間が最終的なところまで責任をもたなければなりません。どんなものも用途をふまえて本気でやらなければなくならない、便利さだけを追求することは入ってきたものだけを受け取ること、出すことを考えなければ生きていけないのだとはみんなが知るところです。
ちなみに人間は自然界のものなので自然に還ることができます。

土の本

「自然をたたえ、生物をいつくしむ」国民の祝日、自然とは何か、生物とは何かから定義しなければいつくしむことが難しい世の中ですが、人間も自然の一部だということ、自然や生物と切り離されているものではないと知ることが必要なのかもしれません。

スイセン
春彼岸
 2021年3月17日(水)

春分の日を挟んだ前後3日間は春のお彼岸です。
雑節のひとつで、計7日間の最初の日は「彼岸の入り」、最後の日は「彼岸明け」と呼ばれます。
この期間にお寺で行われる先祖の霊を供養する仏教行事のことを彼岸会といいます。この期間にお墓参りに行かれる方もいらっしゃると思います。
春分の日は太陽が真東から昇り真西に沈み、昼夜の長さがほぼ等しくなります。太陽の沈む西の彼方の極楽浄土に思いを馳せたのが彼岸のはじまりといわれます。またこの太陽信仰への願いを「日願」といい、いつからか「彼岸」となったともいわれています。
仏教行事といってもインドや中国では「彼岸」はないのだそうです。日本古来からの太陽信仰と祖霊信仰が結びついたことが起源だといわれています。

フキノトウ

暦の上では春分点は黄道座標や赤道座標の原点です。黄経0度赤経0度、黄道12宮12星座の牡羊座のはじまりでもあります。
春分の日を始まり、起点ととらえる考え方もあります。

メープルの樹液がそろそろ終わり、季節が移り変わるのを感じます。待ちに待ったフキノトウが出始めました。植物の季節感はとても繊細です。


福縁の宿にてこよみのお話会
暦の話会@福縁の宿
 2021年3月12〜13日

3月11日は福島県のはからめランドで過ごしました。この日に向けてラジオやネットニュースでは東日本大震災から10年の歳月を振り返って様々な情報が流されていることと思います。この日はそういった外からのニュースに心を揺らされないよう、一切の情報を消して静かに自分たちの暮らしを見つめる時間としています。忘れてはいけない、という言葉を忘れたくても忘れらない思いのある人が聞くことが辛いので、ニュースは一切聞きません。

さて、1月に予定していたお話会が3月12日に開催の運びとなりました。
場所は福島県平田村にあるオーガニックゲストハウス福縁の宿。
オーナーの矢萩裕望さんとは震災後の矢萩さんの活動を通して知り合いました。企画された講演会やイベントに参加させていただき、その志に心を打たれました。暦を通して福島から発信することへの勇気をいただいております。

第一部、第二部、ご参加された方々のタイミングも宇宙の計らいのようでした。
お話会終了後の夕食交流会の時間は、豪華なヴィーガン手料理とみなさんとの楽しいお話の時間でした。参加された方々がみなさんすごい人生経験をされていて、こちらがメインイベントかと思えるような第三部となりました。
こちらの宿はオーガニックのお布団、お部屋も木と珪藻土で造られていて、ゆっくり休めることも魅力のひとつです。眠らない夜を過ごす訳にはいきません。ご宿泊コースのみなさんも夜更かし後に完全にバタンキューだったのではないかと思います。

翌朝もみなさんで朝食をお手伝いしながら食卓を囲みます。料理や片付け、生活の要になる営みを通してコミュニケーションができる宿って素敵だなぁと感じました。
集まった方々と福縁が結ばれる宿、こういう場所を作りたいと願って行動していた矢萩さんの実行力は素晴らしいと思います。たくさんの方々に勇気を与え、個々の人生が輝いていけるようサポートしてくれる各種ワークショップも開催しています。
矢萩さんと出会うと、ご縁がつながりご自身が輝き始めてまわりを照らし出し、世の中に影響を与え始めます。福島から新しいエネルギーを発信し、新しい生き方へとシフトしていくきっかけがここにあります。集まる方々を見ても、日本や世界という枠すら超え、宇宙を相手にしている方たちが多いことからもその兆しを感じることができます。
暦を通して素晴らしいご縁をいただけますことありがたく、心から感謝いたします。
このエネルギーをみなさんに還元し、この世界がよりよき世界となっていくために尽くしたいと思います。福縁の宿でご一緒されたみなさま、どうもありがとうございました。
 


関連サイト :  福縁の宿

OPEN JAPAN パンフレット
パンフレットと報告書
 2021年3月9日(火)

一般社団法人OPEN JAPANの報告書とパンフレットが完成しました。
東日本大震災から10年、これまでの年次報告書とともにOPEN JAPANのパンフレットとしてこれまでの軌跡をまとめた冊子を制作しました。
「OPEN JAPANってどういう団体なんですか?」という質問を受けて、それぞれがそれぞれの答え方をしていたり、あるいは「そんな一言では答えられないよ」と答えていました。その答えを最初のページに記載しました。

表紙には手書きの桜、そして一言「あなた=わたし」という文字。
桜というもの、そしてこの言葉から感じとっていただけるものが届けばと思います。
開いた最初のページには被災現場の写真、次のページで仲間たちが駆けつける、そして次のページで支援活動を、最後のページでは笑顔と繋がりを表しました。被災地とどう関わっているのかということをこの冊子から感じとっていただければ幸いです。
(数日中にOPEN JAPANのWEBサイトから閲覧できるようになります。その際にまたお知らせいたします。)

農民芸術概論綱要 序論 宮沢賢治

農民芸術概論綱要 序論 宮沢賢治

…われらはいっしょにこれから何を論ずるか…
おれたちはみな農民である ずいぶん忙しく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活する道を見付けたい
われらの古い師父たちの中にはそうゆう人も応々あった
近代化学の実証と求道者たちの実験とわれらの直感の一致に於て論じたい
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の踏みまた教えた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である


3月の新月を前に、そして春分の日を迎える前に。
この10年を振り返る人も、あらたな福島の未来を思い描く人も。
暦のお話会、深い話は宿泊コースでお待ちしています。
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月とカヌー、暦のお話会のお知らせ2021
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<お話会>
●福島県 福縁の宿
3月12日(金)
15:00〜18:30
平田村大字上蓬田字薬師前98-1

イベントページ
  

山葵の花
山葵花咲く
 2021年3月7日(日)

遠野に住む友人のことを思っていました。
数ヶ月前まで連絡を取り合っていて、その後連絡がなくなり、ご家族との時間を大切にしているのかな、と日々案じていました。手紙を書こうか、何て書こうかと考えていました。
彼女の友人が SNSに彼女の訃報を掲載したのを知り、晶美ちゃんが旅立ったことを知りました。
自分で「絶滅危惧種の天然記念物晶美だから。」と言っていたとおり、あまりにもインパクト溢れる晶美ちゃん。初めてのカヌーで一緒に旅したパートナー、わたしたちにカタカムナを教えてくれた人でもあります。旅先の南伊豆にも遊びに来てくれて旅先の家主に怒られ強烈な印象を残し、遠野にも呼んでもらったり、はからめランドにも訪ねて来てくれました。西へ東へとフットワークの軽さと知識の豊富さ、おしゃべりの多さは群を抜いています。一度会ったら忘れないその力強さで友人知人も多かったと思います。
癌になってからもその経過を赤裸々に綴り、心配と応援に囲まれた日々だったのではないかと思います。絶滅危惧種がいなくなってしまった。あの弾丸トークをもう聞けないのか。寂しさや喪失感はじわじわと押し寄せてきます。

晶美ちゃんへ
体は楽になりましたか。
あちこち自由に行けるようになりましたか。
そちら側にも友だちが多いだろうから、しばらくは忙しそうだね、魂の世界も賑やかになるね。
肉体を手放したらどうなるのか、何ができるのか、肉体を持つわたしたちに晶美ちゃんの方法でいろいろ教えてください。
書こうと思っていた手紙は晶美ちゃんの魂宛になってしまいました。でも、そういうことなんだろうな、とゆっくりと考えたいと思います。
令和3年3月3日。55歳。333に55なんて晶美ちゃんらしい。
こちらの世界は少し静かになりますね。落ち込んでる時や塞ぎ込んでいるときにはときどき楽しませてください。
晶美ちゃん
出会ってくれてどうもありがとう。
ほんとに唯一無二の存在ですよ。

山葵の花が咲く季節を選んだんだね。
これもまた晶美ちゃんらしい。
山葵の花の季節になると、いつも晶美ちゃんを思い出すことでしょう。
たくさんの思い出をどうもありがとう。
出会ったときからインパクトありすぎて、どれひとつも決して忘れられません。
また会える時を楽しみにしています。


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月とカヌー、暦のお話会のお知らせ2021
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<お話会>
●福島県 福縁の宿
3月12日(金)
15:00〜18:30
平田村大字上蓬田字薬師前98-1

イベントページ
  

お雛様
ひなまつり
 2021年3月3日(水)

3月3日は雛祭りです。「桃の節句」「上巳の節句」ともいいます。平安時代に貴族が自分の災厄を代わりに引き受けさせた人形を流す流し雛が発展して雛祭りとなりました。この邪気を祓う行事は、桃太郎が鬼退治をする民話のもとになったと言われています。

わたしの母の実家では毎年旧暦に合わせてお雛様を飾っていました。母もそれに習い、毎年旧暦行事としてお雛様を飾っていました。
旧暦3月3日は必ず三日月です。かつては三日月の月のもとで行われていた行事なのです。
この時期は大潮にあたります。沖縄地方の離島では、海に足をひたすサニチという行事として残っています。潮干狩りの時期でもありますね。
もともとは祓いの行事でしたが、今では女児の健やかな成長のお祝いとして残っています。春の訪れをかわいらしいお雛様とお祝いするという風習もいいものだと思います。時とともに文化、風習も淘汰され、時代に合ったかたちとして継承されていきます。

梅の花

祖母が私が生まれたときに用意してくれたお雛様を毎年母が飾っていました。引越しとともに大きな飾り雛から「お内裏様とお雛様」だけを持つことになり、「飾ってあげないとかわいそうだから。」と毎年お花とともに飾っていました。昨年からはわたしが引き継ぎ、季節の風物詩として、新暦3月3日から旧暦3月3日まで飾ろうと思います。


1月の開催が延期になっていた暦のお話会が、下記の日程で開催されます。
3月11日の翌日の12日です。お話会を聞いた翌日13日は新月です。
事前予約で宿泊もできるオーガニックヴィーガン宿での開催です。
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月とカヌー、暦のお話会のお知らせ2021
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<お話会>
●福島県 福縁の宿
3月12日(金)
15:00〜18:30
平田村大字上蓬田字薬師前98-1

イベントページ
  

チェチェンイツァ
3月の絵
 2021年3月1日(月)

夕方、17時過ぎだっただろうか、近所の温泉に行くと「明るいのはいいねぇ」と大きなガラス窓から夕日が差し込んで照らされている常連さんが言っていた。冬至の頃は17時だと真っ暗だからそれに比べたら確かに日が伸びた。もう20日もすると春分、1年間の日中の明るい時間を考えるともうちょっとで半分。まだ寒い日が続き雪も降るので、日が短く冬な感じがするけれど、もう半分なのだ、そしてもう春なのだ。
3月の絵はメキシコにある「チェチェンイツァ(Chichén Itzá)」という遺跡にあるカスティーヨ(別名:ククルカンの神殿)というピラミッドをモチーフに描いてみた。ククルカンというのはこの遺跡が栄えていたマヤ文明で最高神とされていた羽のある蛇の姿をした神。
このピラミッドは、春分(または秋分)の太陽が沈む時間になると、階段の横の彫刻の部分にだけ太陽光が当たりククルカンが姿を表すという仕組みになっている。春分を知るための巨大な装置というわけだ。 「今が春分だ!」ということを知ることがどれだけ生活にとって重要だったのかが想像できる。
1年を4等分にする二至二分(夏至・冬至・秋分・春分)を意識する事で、僕は何事も必ず巡ってくるという安心感を持ちながら生活している。冬の後には必ず春がやってきて暑い夏がやってくる、当たり前だと思うけれど、これ以上に信頼できる約束事はあるだろうか?
嫌なこともあれば良いこともある、お腹が痛くなっても必ずお腹が痛く無くなる時が来るんだって思える(ちょっと違うかな?)
陽と陰、プラスとマイナス、兄(え)と弟(と)、ミクロとマクロ、いろいろな捉え方があるけれど全て同じことだろう。
そう考えると、「来月よりも売り上げを伸ばして・・・」ってなことをずーっとやり続ける資本主義ってのは「???」ってことになる。自分はそこの中にいても心は「巡る仕組み」を感じていたいものだ。

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月とカヌー、暦のお話会のお知らせ2021
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<お話会>
●福島県 福縁の宿
3月12日(金)
15:00〜18:30
平田村大字上蓬田字薬師前98-1

イベントページ


関連サイト :  Googleでチェチェンイツァを検索
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