11月の絵
11月の絵は・・・ 2021年11月30日(火)  

こういうことは月の初めに伝えるべき事なのだとわかっているのだが、タイミングを逃してしまい月の晦日になってしまった。
はからめ月のカレンダー2021年11月の絵は、うちのリビングにある薪ストーブの絵を描いた。絵を見て気がつく方もいると思うが、うちには薪ストーブが1mほど離れたところに2つ設置してある。手前は鋳物の薪ストーブ、奥は通称「時計型ストーブ」と言われているブリキの薪ストーブだ。

薪ストーブx2

僕らは夏でも毎日のようにストーブに火を入れるのだが、この2つのストーブをどのように使い分けているのかを簡単に説明しよう。ヤカン1杯のお湯を沸かすために結構ガスを使うんだなぁと思った事がある方、少なくないのでは。同じように手前の薪ストーブでヤカン1杯のお湯を沸かすためには、沢山の薪をストーブに焚(く)べてまずは鋳物のストーブ自体を温め、それが触れないほど熱くなったらようやく、そのストーブに接触しているヤカンのお湯に熱が伝わるという仕組みなので時間もかかるし薪の量も必要となってくる。
しかし奥のブリキのストーブは、薄いステンレスの鉄板で作られているので、家の周りを掃除がてら枯れた小枝を拾ってきたらそれがそのまま燃料。ほんのちょっとの薪で一気にストーブが温まりヤカンのお湯がすぐに沸くというわけだ。
大雑把に言うと、夏はブリキのストーブ、冬は鋳物のストーブ。(もちろんそう決めているわけではないが。)冬は部屋を暖めたいので、熱くなる煙突はできるだけ部屋の中を通してから外へ。逆に主に夏に使うブリキのストーブは部屋を暖めたくないので、煙突をすぐに家の外に出してそれから上に立ち上げる設計にした。ちなみにブリキのストーブの天板のレベルはガスコンロと同じように調理台と同じレベルに設計したので、料理がしやすくなっている。

「随分と細かいところまで考えてるね〜」と言われることもよくあるが、エネルギー=自然の恵みをどのように効率よく頂くか、ってことを考えたら必然とこのようになったとしか言いようがない。今のところ、もし次に家を建てるとしても同じ設計にしたいと思うほど使い勝手も良いし気に入っている。それなのに、なんでみんな薪ストーブを2つ設置しないんだろう・・・・?

作業風景
友だちの部屋の壁作り。 2021年11月27〜29日  

大日向マルシェが終わり、那須から横浜まで3時間ちょっと。もう暗くなっていたけれどホームセンターは夜の9時まで開いているので、夜のうちに材料の調達・・・。

今回の旅する大工は「もともとある壁に穴を開けずに壁を作る」だ。はて?なんのこっちゃ?って感じかもしれないけれど下の写真を見て頂ければわかるかと思う。
友だちが借りている部屋なので、出るときは現状復帰しなければいけないということもあり、今回のミッションは、壁にはビス1本も打たないで施工すること、これが条件だ。
壁に止める事ができなかったら、倒れてきちゃいそうじゃんって思うところをどうやって固定するかをず〜っと考え続けながら作業スタート。

ビフォー
<Before>

結果、上の写真にある灰色の木材、これは壁(コンクリートにクロスが貼ってある)としっかりと固定されており、ビスを打っても大丈夫ということになった。今回の僕にとっての救世主はこの横棒だ。
そうと決まったらあとは手を動かすのみ。友人の頭の中に理想の絵が描かれていたこと、そして必要な金具などがすでに揃えてあったということもあり、作業はスムーズに進んだ。

アフター
<After>

形が見えてくるたびに、友人は「ヤベー、匠、まじヤベー」と500回くらい言っていた。棚の幅や長さなど、毎回相談しながら形にしていったということもあり、本人も気に入ってくれたようで僕も嬉しかった。
他人が喜ぶのが僕にとっての喜び・・・、僕は他にどんなときに喜ぶんだろう・・・か、と考えてみたりしてみたり。


大日向マルシェ
大日向マルシェ。 2021年11月27日  

栃木県那須町で開催された「大日向マルシェ」に出店させていただきました。月2回開催のオーガニックマルシェの今期最終回、来年に向けて月の暦の販売をさせていただきました。
一年ぶりにお会いしてお話ができるということが、こんなにも嬉しい気持ちになれるなんて。
毎年一つづつ年を重ね世代が変わっていく中で、みんな元気にそれぞれの生き方を貫いている、その姿が見られるのが尊いことなのだと気づかせてくれます。

大日向マルシェ

このローカルxビオ「大日向マルシェ」jの出店者は、農薬を使わずに育てられた安全安心な作物や加工品の生産者や販売者、手工芸作家です。オーガニックやフェアトレード、地球環境というキーワードを掲げなくても、おしゃれなマルシェという入り口は誰もが楽しめます。そこで手にしたものを通して生産者とつながり、そこから世界が始まるのです。
開催場所は「アワーズダイニング」の庭、「アワーズダイニング」はまるで芸術作品のような美味しくて美しい食事がいただけるレストラン、みなさんにご紹介したい素敵なお店です。
次回のマルシェ開催は来年の春、そして11月の第4土曜日まで続きます。

大日向マルシェの仲間たち

今回のマルシェに、先日の福島でのコンサート「永遠の祈り」でお会いした栃木県の方をお誘いしました。なんと「アワーズダイニング」まで車で30分のところにお住まいとのこと。偶然にもカレンダーを買いに来てくれたアワーズダイニングのじゅんこさんとその場で出会い、予約受付をはじめた直後におせちのご予約をされました。展開の速さに「おお!」と嬉しい驚き、楽しいご縁が繋がります。マルシェを通して人の輪が広がり、新しい世界とのつながりが生まれます。

横浜へ

マルシェ終了後はアワーズさんの食事を楽しみたいところなのですが、今回は急いで横浜へ向かいます。
車の中には大工道具が積まれています。
そうです。またまた匠の出張大工です。
今回は匠の同級生…、飲み過ぎ注意信号です。
私はカレンダーを持参して製作に励むことにします。


関連サイト : 大日向マルシェ

タカと一緒に
The Coleman Camp 2021年11月19〜22日  

部分月食が見られる特別な日、茨城県の涸沼自然公園キャンプ場で開催されたザ・コールマンキャンプに、四万十塾のカヌーツアーのスタッフとして参加してきました。
高知県四万十川のほとりから各地でカヌーのツアーを行っている四万十塾が、葦原の中を抜けて涸沼まで出る90分のカヌー体験をガイドします。匠は四万十塾の永遠のスタッフとしてカヌーのガイドを、わたしは今回まかないチームとして涸沼のほとりで三泊四日を過ごしました。

タカと一緒に

葦原の中を通り抜けて涸沼へと漕ぎ出す風景は幻想的です。静けさの中をゆっくりと、どんなところへ出るのか和風ジャングルクルーズのようなどきどきワクワク感に包まれます。





タカと一緒に
葦原を抜けると水門があり、水門を潜ると開けた涸沼に辿り出ます。
カモやオオバン、シラサギなどの水鳥がいました。エンジンのないゆっくりとしたカヌーは比較的そばまで近づいても大丈夫。初日には白鳥が見られました。

タカと一緒に
カヌーの上でのティータイム、おやつがあるとパドリングも上達します。

一日3回の体験ツアーはすべていっぱいで、スタッフみんなフル稼働でした。

タカと一緒に
<匠と一緒にカヌーに乗ってくれたのは眠れる森の男の子>

水辺の時間は都会の喧騒ともキャンプ場の雰囲気とも異なる静かなる水の世界です。
四万十塾のカヌートリップ、みなさんよき夢を見られたでしょうか。

タカと一緒に
夢はまだまだ続きます。
夜はランタンと焚き火台で明かりが灯り、昨晩の月食を思い出しながらのお月見キャンプです。

「ザ・コールマンキャンプ」は今年で3年目、コールマンの主催するキャンプイベントです。
クオリティの高いライブもあり、カヌーやトレッキングなどのアクティビティ、簡単キャンプクッキングのワークショップやコールマン商品の展示会もあります。

今回のステージにはディジュリドゥのGOMAさんが出演、素晴らしい音の振動を浴びました。聞けた人はラッキー、いいステージでした。 フリーペーパー『DEAL』のフェスおじさんも取材に来ていました。

タカと一緒に
日課の朝6時30分の生ラジオ体操は遠慮して、プログラムにある朝9時のラジオ体操に参加しました。第一だけでしたがみんなでやるとラジオ体操らしいラジオ体操となります。

タカと一緒に

雨予報を受けて夜のうちにカヌーを積み、作った桟橋をバラしました。ツアー終了後の暗い中での作業もスタッフがたくさんいたおかげで大雨になる前に無事完了できました。
翌日の最終日が雨で中止となったのは残念でしたが、いろいろな人と出会い、違いを尊重し学びとなるのが集団生活のいいところ。キャンプで一緒に過ごした仲間とは、なんだか一体感が生まれるのですよね。
今回オーダー家具を作っている匠の友人ヨッシー(親戚だと思われていました)の作品を四万十塾のご好意でカヌーの一角で出店させてもらいました。ルミエールランタンに合うケヤキのカバーを並べてみると、早速手にしてくれた人がいました。ヨッシーにとっては初めての世界、刺激的だったことと思います。作品は好評で、次へのステップとなりそうです。

月食の涸沼でのキャンプはいろいろな世界が交差し関わり合っていることを感じさせてくれました。 今回お隣のブースのフードコーディネーターのみなくちなほこさんが、共同でみんなのまかないを作ってくれました。一緒にお酒を飲みながらみなくちさんの世界を見せてもらうことができました。料理の手際だけでなく、残りものも上手に生かして無駄をなくすように工夫するところ、手と口を一緒に動かしてどんな状況でも必ずやるという姿勢には料理だけではない学ぶべきところが多くありました。

さて、カヌーの次は月の暦です。

今週末は栃木県那須町で開催される大日向マルシェに月のカレンダーと手帳を持って出店します。
入場無料の地域のマルシェです。午前中だけのマルシェですが、お近くの方は遊びに来てくださいね。



関連サイト : 四万十塾 ・ コールマンジャパン

タカと一緒に
タカ登場。 2021年11月16〜17日  

オープンジャパンの仲間、タカが福島から東京への道中に立ち寄ってくれました。
タカは先日の「永遠の祈り」コンサートに誘ったら来てくれて、久しぶりに会いました。大倉正之助さんの大鼓の舞台を見たのは初めてだったようで、感動していました。高橋全さんのピアノがよかったと言っていたので、全さんのCDを聴きながら夜を過ごしました。
タカとは2年ほど前の球磨村での水害支援で会いました。オープンジャパンの若手、信頼の置けるいい青年という印象でした。一晩ゆっくり話してみると、いろいろな過去を背負って今を生きているということがわかります。人にはその人にしか分からない歴史があります。望月がメッセージを運んできたように思えてなりません。

タカは東京へ、わたしたちは週末茨城県にある涸沼へ向かいます。

The Coleman Camp 

匠が永遠のスタッフを努める四万十塾のカヌーのお手伝いで参加します。
久しぶりのカヌーの仲間とのキャンプです。

<11月19日〜23日まで、メールの返信が遅れますことをご了承ください。>


関連サイト : 四万十塾 ・ コールマンジャパン

ふくしん夢の音楽堂
永遠の祈り。 2021年11月10〜13日   

「永遠の祈り」コンサートツアー、広島から福島へ、たくさんの方々の祈りの時間となりました。
音楽とアートを通して平和への願いを届ける、その意思に心を寄せてくれた参加者のみなさんとの濃い時間を過ごしました。思い起こせば「ハプニングの授業」のように、思いもかけない偶然が次々と起きた数日間でした。

開催場所は福島市にある「ふくしん夢の音楽堂」。
福島の作曲家、古関裕而記念館の隣に建てられています。
名前の通り、夢の音楽堂です。会場となる大ホールの素晴らしさには目を奪われました。ステージ二階の中央には大きなパイプオルガンが、壁全面は青いタイルに覆われていて、小さな音も響き渡る奥行きのある空間に客席が並んでいます。設営の段階から奇跡の連続でした。直前に、この日のためかと思わせるような大型の絵画にぴったりの新しい照明設備が整えられ、当日に予算の都合がついてオンライン配信が決まり、予期せぬことも相まってステージが彩られていきます。
リハーサル中も演出がどんどん変化していきました。美しい環境が美しいものを創造する能力を引き出し、偶然の連続がみんなの意識を集中させていったのかもしれません。

ふくしん夢の音楽堂

第一部のコンサートは被曝バイオリンの音色からはじまりました。
ソプラノの歌声、ピアノの音色、クラッシックのコンサート会場のような空気感に包まれます。夢の音楽堂、素晴らしい音の響きです。
そして第二部。
大鼓、ピアノ、現代舞踊、ソプラノのコラボレーションでレクイエムからカッチーニのアヴェ・マリアを演じた舞台は、目が潤むほどの物悲しき美しさでした。音楽と舞、ステージ中央の大きな絵画がひとつとなり、一本の作品を見ているかのような演目でした。福島の人々の心にはどう響いたでしょう。
こちらのサイトから当日のコンサートをyoutubeで見られます。
『永遠の祈り』 ふくしん夢の音楽堂

第2部のステージ
<写真はリハーサル風景>

今回のコンサートは広島から福島へ、そして被曝した長崎、チェルノブイリとつながることもキーワードでした。
12日、福島第一原発の影響で今も避難区域となっている浪江、南相馬の地域をガイドの今野寿美雄さんに案内してもらいました。
浪江の避難区域を走る中、解体されゆく築100年以上の立派なお屋敷の前で車を止めました。ちょうど家主さんが家を見に来ているところでした。
「今解体すれば国の予算で解体してもらえる。後になると自費解体となってしまう。解体した家の処理は放射性物質扱いとなるため個人では到底対処できない。」そう言っていました。町のお神楽をここからはじめるという由緒ある立派な日本家屋、解体されてしまうのが忍びない建築です。

「これから通過するところは車の窓を開けないでください。」
ガイドの今野さんが携帯電話で各車(全6台で移動)に連絡をしながら避難区域を通り抜けました。途中、道の横にあったモニタリングポストの数値は2.97マイクロシーベルトと表示していました。このモニタリングポストのまわりは除染されているのだと言います。除染したエリアの数値で約3マイクロシーベルト、離れたところはもっと高い放射線量です。その付近では数名の作業員さんが仕事をしていました。

みんなが向いている先には福島第一原発が

大平山霊園から見下ろせる請戸の海岸で祈りの時間を持ちました。
海の東側には解体した家屋の焼却施設と灰の貯蔵地が見えます。その並びには水産物の加工所が、そしてその延長線上に福島第一原発がありました。
広い砂浜まで降りてみました。サーフィンができそうないい波が押し寄せています。海の水は綺麗に見えますが、隣には原子力発電所が見えています。
原発が稼働していた時にはなかったという砂浜、原発が止まり潮の流れが変わったことにより、かつての砂が戻ってきて砂浜ができたそうです。

同慶寺にて

午後には南相馬市小高にある同慶寺にて「祈りのコンサート 」を開催しました。
お堂の中は檀家さんはじめ予定を超えるたくさんの方々でいっぱいです。 こうしてお寺にたくさんの人が集まるのは2年ぶりだそうです。
お堂には泥の中から奇跡的に助けられた「奇跡のピアノ」がこの日のために運び込まれていました。自衛隊と楽器店、地域の方々でこのピアノを蘇らせたのだそうです。
ピアニストの高橋全さんが最初の一音を奏でる瞬間はまるでスローモションのように見えました。初めて向き合う東日本大震災を生き延びたピアノに触れるその一手、リハーサルのない中での演奏は一音入魂、静まり返った堂内に美しい旋律が響き渡りました。
ご本尊様の御前で広島をはじめ、各地から集まった祈り人たちとの交流がなされました。点と点が線になり、天と地が繋がったかのような奇跡の話がなされました。
ここでもまた偶然の話が出てきます。同慶寺は相馬家代々の菩提寺であり、現在相馬家末裔の方は広島にお住まいなのだそうです。そしてここにも樹齢1000年を超える銀杏の古木がありました。

樹齢1000年を超える銀杏の古木

南相馬小高の双葉屋旅館に宿泊しての交流会では、女将の小林友子さんのお話も聞くことができました。震災の後、チェルノブイリに現状を見に行ったそうです。小林さんは小高地区の記録映像を残して現状を伝える活動をしています。
今回、スタッフとしても関わってくれたガイドの今野さんは私たちに厳しいほどにリアルな現実を見せてくれました。今も消えぬ放射能の影響下よる暮らしは、ここに来なければわからないものでした。今の現状は住民自ら決して隠しているものではありません。放射能は消えず、人々は帰らず、帰ってきても暮らしはもとどおりにはならずに10年が経過しました。福島の今の姿はまるで立ち直っているかのように伝えられますが、本当のことは来て見なければ分からない、自ら知ろうとしなければ知ることのできない世界になっていました。
同じ福島県でもここまで異なる意識感覚にショックを受けました。この現状を見に連れて来てくれた人たちは広島の人たちでした。知ろうとしなければなかったことのようにされてしまう福島の現状、他県のみなさんはどう捉えるでしょう。76年前の長崎・広島、35年前のチェルノブイリからわたしたちは何を学んだのでしょう。

フルハウス

小高駅前には震災後に移り住んだ作家、柳美里さんの書店「フルハウス」があります。ランチもオーダーできるBOOK&CAFE、店内には親しい作家のおすすめ20冊が並んでいます。

「どんな本が好きなの?精神世界系とか?カルロス・カスタネダ知ってる?僕の心理学の先生。」ツアー最終日までご一緒した画家のsusumuさんに尋ねられました。
Susumu Sakaguchiさんはニューヨークで活躍し、現在ハワイ島にお住まいの現代アーティストです。
ツアー終わりの朝、予定の電車に乗れないというハプニングから、最後に起きた偶然はsusumuさんをいわき駅までお送りすることでした。
susumuさんはベトナム戦争に行かず、ウォルトディズニーが創った芸術大学で学んだそうです。当時日本人はsusumuさんただ一人だったそうです。この芸術大学では音楽家ラヴィ・シャンカールの哲学のクラスもあったのだとか。シタール奏者の教えは音楽ではなく、世界観だったそうです。

「学校の授業でね、ハプニングの授業というのがあったんですよ。とてもおもしろい。」
「ハプニング」とはアメリカの芸術家アラン・カプローが創った芸術大学のクラスであり作品です。
「ある日のハプニングの授業はね、地図を広げてね、印をつけるの。カリフォルニアにはデスバレーという砂漠があってね、地図で示したこの砂漠のポイントに夜中の12時に集まるっていうのが授業。」「みんな本当に来たのでしょうか。」「来る人もいたし、来られない人もいたね、僕は行ったよ。何人かは来ていたね。来ても来られなくても、それはまたハプニングが起きたのかもしれないからいいの。」

すべての出来事は偶然のように必然と起こる、それを目の前で体験し続けた音楽とアートの世界は、福島の現実という演目で幕を下ろしました。そしてこの「ハプニングの授業」は、susumuさんの「perfect happening!」の言葉で締めくくられました。
「君たちでやったらいいじゃない、ハプニングの授業。僕も先生として出てもいいよ。」

足を運ばなければわからない現実があります。
今回の「永遠の祈り」を通して、心に深く刻みつけられました。それは悲しさや負の念ではなく、現社会を変えようとする未来への使命感に溢れている人たちの思いです。
主催の中川圭子さんは言います。
「どんなときも絶対にあきらめない、それだけです。」

今回も圭子さんのジェットコースターに乗り、大きな刺激をいただきました。
被災地支援でご縁を持ったオープンジャパンのメンバーも来てくれました。
わたしたちの知らないところでも、たくさんの偶然が起きていたみたいです。

世界を変えるにはまず自分が変わることから。
これからじわじわと変化の波が押し寄せていくことと思います。



関連サイト :  Heart of Peace ひろしま ・ 永遠の祈り ・ 同慶寺
双葉屋旅館 ・ フルハウス ・ SUSUMU SAKAGUCHI

銀河まつり
立冬。 2021年11月7日(日)   

秋の土用があけて暦の上での冬がやってきました。
風もなくポカポカ陽気の暖かい日となり、穀物菜食レストラン「銀河のほとり」の会場もたくさんの人々で賑わいました。

23周年を記念する銀河のほとりには、手作りの品やライブパフォーマンスを通して仲間たちが集まり情報交換や物々交換、お買い物などを通して感謝の交流が行われていました。
野草料理家として活躍しているみちくさ研究所の芳賀智美さん、猪苗代で菜食カフェを始めたあめつちの飯塚ともみさん、毎日一人で100人分の食事を作っているめぐちゃん、かつての銀河のほとりのスタッフたちが大きくなって銀河まつりを彩っていました。

銀河のほとりがたくさんの人に愛されているのは料理の美味しさだけでなく、学ぶところがたくさんあるからだと思います。店主の克子さんのアイディアと創意工夫でいつも進化しているお店なのです。ここでのお買い物は自分たちだけでなく、人のため世の中のために何を選択するのかということを意識させてくれます。克子さんのもとに集まるみんなのコミュニティはまるで大きな寺子屋のよう、あちこちに向上心を引き出してくれるヒントが散りばめられています。
年齢や性別や能力に関係なく、失敗を恐れず何事もチャレンジするという勇気と、失敗しても許し学び合えるという安心感が信頼に繋がっているのだと思います。そうやってみんなで学び合い生かし合い23年。わたしたちも福島に移住して12年、その時間を共有させてもらいありがたい機会をいただいております。

ジョージさんと

このタイミングで宮城県から友人がやってきました。
東日本大震災のときの石巻で一緒に支援活動をしていたジョージさん。ジョージさんの生き方もとてもユニークです。日本版おしゃれホーボーといった感じでしょうか。あちこちで仕事をしながら暮らしを立て興味深いことを探し続ける人生の旅人。今回も新たな生活にシフトするための旅のはじまりとして訪れてくれました。ジョージさんも先日金山町で10年ぶりに会ったお豆腐やさんのことを覚えていました。時を経て、ひとつのきっかけから点と点が結ばれていくような感じです。風が吹けば桶屋が儲かるのか、バタフライエフェクトの世界、いつの時代も旅人は新しい風を運んでくれます。
ジョージさんと入れ替えにまさかのお客様登場。
昨日の銀河まつりのアフターパーティになりそうでしたが、暦作業に自分を律しました。

11月10日〜13日までは「永遠の祈り」を行っております。
11日は福島市で無料コンサート、12日は南相馬市で奉納演奏を行います。

この期間、祈りに集中しておりますので、メールの返信が遅れますことをご了承ください。



関連サイト : 銀河のほとり ・ 永遠の祈り

紅葉ランド
銀河まつり。 2021年11月5日(金) 新月  

旧暦10月1日、神無月の新月です。

今年は暦の話会ツアーは行いませんが、イベントでの暦の販売の機会をいただいております。

11月7日(日)銀河まつり@須賀川市
11:00〜15:00
地域と仲間たちのマルシェが年に一度の銀河まつりで集まります。
穀物菜食レストランの美味しい食事も魅力のひとつ。
今回は手打ちそばの出店もあります。


関連サイト : 銀河まつり

「永遠の祈り」
福島市でコンサート。 2021年11月3日 文化の日  

文化の日ですね。
文化的なお知らせです。

11月11日(木)
17:30 会場 
18:00 開演
福島市入江町1−1 ふくしん夢の音楽堂でコンサート「永遠の祈り」を開催します。

WEBサイトはこちら

出演者は大倉正之助(大鼓)高橋全(ピアノ)中川詩歩(ソプラノ)那須シズノ(現代舞踊)SUSUMU SAKAGUCHI(絵画)、ウクライナ大使とビデオレターで広島市市長、長崎市市長が参加いたします。
(上の写真クリックでチラシ拡大

主催しているのは広島で音楽祭を開催している中川圭子さん。8月5日太田川に水を捧げる「水の祈り」をはじめ、広島からアートと音楽で世界平和を訴える活動を行っている女性です。長年の経験から国内外の素晴らしいアーティストと交流があります。
圭子さんは福島の地で無料でコンサートを開きたいという思いをずっと願っていたのだそうです。それが2021年11月11日に開催されることとなりました。席数を500席に制限した中での開催となります。
WEBご参加予約先 こちらのWEBサイトよりお願いいたします。
電話予約先 090ー7540ー8975(中川)

当日わたしたちも会場でお手伝いをしています。「永遠の祈り」でお会いできます方々、よろしくお願いいたします。
圭子さんは直感力に優れているので、当日何が起きるかドキドキでもあります。


関連サイト : 永遠の祈り

八須家にて
奥会津からむしの里。 2021年11月1〜2日

月のカレンダー令和サイズの閉じ紐として使っているからむしの糸の製作者の八須環さんを訪ねました。紡いでくれた注文分のからむしの糸を預かりお話を伺いました。
八須さんご夫婦は金山町で古民家を改修しながら暮らしています。ニワトリと日本みつばちを飼い、お米と野菜を育てています。山の木を切って薪ストーブで暖をとり、ご主人の友磨くんはマタギ修行、山に入って狩猟もするそうです。山の暮らしを満喫しているお二人です。
この暮らしの中で紡がれたからむしの糸です。
からむしの繊維は何年も持ち丈夫ですから、カレンダーを使い終わったあとも糸だけ取っておきたくなるかもしれません。無駄なく活かしたくなるのが自然素材のいいところでもあります。

八須家にて

滞在中にも手帳とカレンダーの製作をさせていただき、腰の治療に地元の名湯炭酸泉につかって八須家に一晩お世話になりました。話しているうちに山暮らしの情報交換ができて物々交換のようなことが起こります。土のあるところで暮らしていると、季節の恵みや採れる野菜などを分かちあえる豊かさがあります。野菜を育てていてもご近所さんから野菜をいただくこともしばしば。使えるものを捨てずに取っておくことでお互いが欲しいものとあげられるものが見つかるかもしれません。交換でなくてもいいのです。活かしてもらえるところにあげることができることも喜びのひとつです。

佐々木謙一さんと一緒に

金山町には10年前にも何度か滞在させていただきました。東日本大震災で被災した福島県の子どもたちを県内で保養できるプログラムをオープンジャパンが組んでいました。沼沢湖でカヌー、フェアリーランドでスキー、そば打ち体験や温泉など、金山町の文化と自然を体験しながら心と体を癒して放射能の恐怖から離れる時間を作りました。その時に出会ったお豆腐屋さんがあったので店主の佐々木謙一さんを訪ねました。10年経って体は衰えていましたが、頭の中は10年前と変わらず、何度も「10年前も同じこと言っていましたよ。」と言うシーンがありました。

生きる覚悟

福島県に住んで10年以上が経ちました。
放射能による見えない恐怖や精神的苦痛はどんなに薄らいでも、決して消えることはないのかもしれません。薄まって薄まってもはや感じなくなるくらいに薄まっても、ホメオパシーレメディの希釈のようなに、いつまでもその記憶は残り続けるのではないかと思います。
あちこちに立つモニタリングポストの数字は下がり、山菜やきのこの出荷制限が解かれたとしても、どこかにまだ見える傷跡は残っているのです。
福島で暮らすということはどういうことか、佐々木謙一さんの訴える世界もまだ癒えずにいます。忘れたいことは忘れてしまおうとする人たちもいます。その方が大多数、声をあげ続けるのはエネルギーのいることです。取り戻せるものでもありません。ただ、「あやまちは二度と繰り返しませんから」という声を忘れてはいけないと思うのです。
人の10年は長いか短いか…。
70年なら一瞬の夢、でしょうか。


関連サイト : YouTube「奥会津の樹になる人々」(八須家の2人が登場します)・ 玉梨とうふ茶屋

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