赤紫蘇に塩をまぶして揉む
赤紫蘇染め 
2022年8月27日(土)新月

8月第4土曜日、夏の終わりの新月です。
はからめランドでは毎日のように雨が降り、日が差してはまた雨が降りを繰り返しています。

東洋思想の五行では土、長夏にあたる季節でしょうか。立秋を過ぎ秋の気配漂う季節です。
春夏秋冬、土用という考え方になる以前、春夏長夏秋冬の五行思想があり、今でも東洋医学の分野では夏の終わりから秋の始まりを長夏という季節区分として治療を行なっているそうです。
梅雨の後に続く暑くてジメジメした長い夏は湿気と熱気が体に影響を与え、水分を取りすぎると体がだるくなり、暑いからといって冷たいものばかりとると内臓を冷やすことになります。養生法としては適度な運動による発汗と食べ物も薬味を使うなどして体を冷やさないように、とありました。

赤紫蘇

雨が上がった隙間を見つけて、気になっていた畑の赤紫蘇を収穫することにしました。
9月になるとカレンダーの印刷があがってくる予定、畑作業に取りかかる暇もなく製本作業が続きます。ここ数日の隙間時間を活用します。
今日は新月、月は乙女座に位置しています。

「乙女座の日は、園芸や農業には重要な役割を果たし、ほとんどの作業に適しています。」(『月の癒し』ヨハンナ・ハウンガー&トーマス・ホッペ著)

赤紫蘇は梅干しの色付けに使うつもりですが、カレンダーの綴じ紐として準備している無垢の麻紐を染めてみるというのも目的のひとつです。葉は梅干しに、抽出液は麻紐に。
葉の重さを測ってみると2700g ほどありました。

染められた麻紐

深い紫色の抽出液にクエン酸を入れると、鮮やかなエンジ色になります。
これで麻紐を染めると、濃いピンク色になりました。

オクラの花

畑の青紫蘇も最盛期、ミョウガも出始めました。
種を蒔いたオクラの花が咲き、実をつけ始めています
小さな収穫は大きな喜びを与えてくれます。

乙女座の新月

「はからめ月の暦」は東洋思想とされる五行をもとにしています。この考え方はとても興味深いものです。同時に西洋占星学で用いている天文暦も使っています。東や西とどちらかに決めるというものではなく、役立つ知識や情報は国や文化を超えて伝え広がっていくものだと思います。
使いたいときに使える情報を、インターネットはすぐに答えを教えてくれますが、紙の情報は想像力をかきたててくれます。


カレンダーの紐は、からむし
はからめ月の暦 
2022年8月24日

月のカレンダーの令和サイズの印刷が上がってきました。
令和サイズの綴じ紐は福島県奥会津の金山町で紡いでもらっています。
この綴じ紐に用いている植物はからむし、または苧麻(ちょま)といわれ、奥会津では伝統工芸品として苧麻織の作品が作られています。昨年から苧麻織の作家、八須環さんにお願いして、月のカレンダーの綴じ紐を紡いでいただいています。何色かの草木染めを施してもらい、手触りも風合いもとても素晴らしいものができました。使用している染めの材料は日本茜、栗、キハダ、藍、葛などです。

栗が実ってきました

八須さんはご夫婦で奥会津の金山町で「みみをすます」という農家民宿&カフェを営んでいます。築100年の古民家を改修しながら暮らし、田んぼや畑、からむしの栽培まで、大地に根ざした暮らしをしています。(カフェの営業日は不定期ですので、ご興味のある方はウェブサイトをご覧くださいね。)

手帳のデザイン

月のカレンダーのデザインが上がったところで月の手帳のデザインに取りかかっています。
月の手帳は「はからめ月のカレンダー」をもとに作られています。カレンダーに記載されている情報+毎年の歳時記や豆知識が蓄積されていき、余白を多めにとりながらも読むところもかなりあります。
2023年版はより使いやすく、見やすく、読みやすくを考慮してデザインをしています。
小さくて読みにくかった文字のポイントをちょこっとだけ大きく、文章もより明確にすっきりとさせました。

ヨシ紙

日々の暮らしの中で目にするもの、手にするものですから、使いやすく美しく心地よくあるものを作りたいと思っています。素材がよければ手にした時の満足度も上がります。
カレンダー、手帳とも、琵琶湖水系に生えているヨシ(葦)という植物の繊維を30%使用したヨシ紙を用いています。葦は成長の過程で水を浄化する作用がある植物です。この紙を使用することで琵琶湖水系の水が綺麗になるイメージを持っています。琵琶湖は日本最大の湖です。滋賀、大阪、京都の飲み水ともされる水、枯れることなく人々とともに生き続けている水うみです。

カヌーのメンテナンス

北へ西へと旅をしたカヌーは、テトラポットにぶつかったり、岩にひっかかったり、急流をくだったりとずいぶん働いてくれました。予想以上に丈夫で、川旅にも使えるカヌーだということが証明できたと思います。このハードワーク後のメンテナンスが必要とされますが、暦作業優先でしばらく工房でお休み中。秋にカヌーのツアーが入る予定ですので、そのときにまた川の上でみなさまにお目にかかれると思います。



関連サイト : みみをすます

鷲田家の人々と
わしくんファミリー 
2022年8月21〜22日

小学校生は夏休みですね。
横浜から友人家族4人がはからめランドへと遊びに来ました。
今回は「生命観について相談がある」とのことでしたので、まじめに話を伺いました。
わしくんは鍼灸師、奥様ちっしーはボイストレーナーでヨガインストラクター(living studio vi)、お二人とも心と体のケアを仕事としています。
わしくんが学んできた東洋哲学を、レジュメを作ってスライドを用意して説明してくれました。
わしくんは横浜市鶴見区のご自宅で「わしだ鍼灸院」を開業し、現在勉強会やお話会も開催しているそうです。
東洋哲学、東洋思想の中には、わたしたちが暦の世界で用いている五行の始まりや土用の捉え方など、学ぶべきことがありました。夜中まで及ぶ話の中には魂からの声も加わり、本やテキストでは学べない深い時間になったのではないかと思います。

はからめランド

10歳と8歳の子どもたちは元気モリモリで、 昨年の記憶を思い出し、
「森へ行きたい。」「かえるつかまえたい。」「とかげつかまえたい。」と大はしゃぎ。キャーキャーと大声で叫んでもわたしたちと動物以外誰もいませんから止められることも躊躇することもなくやりたい放題でした。
部屋にいる時にはルービックキューブとUNOで遊んでいますが、静かな時間は寝ている時だけ。子どもたちの感覚の鋭さと意識の明晰さは年齢によるものなのか個性なのか、遊んでいてもわたしたちの話をちゃんと聞いていて、ときどき干渉してくる際のポイントがちとゃんと流れと的を抑えています。さすが鍼灸師の息子たち。
親が注意をしない中でわたしが注意をすることを何度もためらいましたが、ここは大人も子どもも関係なく学び高め合える場所でありたいと思い、子どもにはシェアすることを伝えました。一年間の時間をかけて安心できる関係を作り上げてからでないとできないこともあります。匠くんも私も早くに父を亡くしましたが、幼い頃の厳しくて怖いイメージだった父からのしつけが大人になるにつれて大切なことだったのだと今では感謝しています。

愛と光 村中愛

わしくんとは東洋哲学から魂の話、見えない世界の話となりました。
「プレアデスのメッセージ、買って読みましたが、どう思いますか?」
わたしたちが出会った村中愛さんの著書『プレアデスメシアメジャー からのメッセージ』を読んでくれたそうです。
メッセージは必要なときに必要な人に届く、本という形になるものにはそのときに響くところとそうでないところがある、時間が経ってからまた読み直すと新たな発見や気づきがある、それは本人にしかわからない、そういうものだと思います。
わしくんに、先日高知で村中愛さんからいただいた本『愛と光』をお渡ししました。

お手伝い

料理作る話聞くお酒飲むおやつ食べる森行くおやつたべるおしゃべりするの一泊二日。
今回は暦の制作時間のため、わたしたちが一緒に過ごせる時間は一泊二日です。わしくんファミリーは二泊目に浜通りのキャンプ場のコテージを予約したそうです。海と川遊びを楽しむ計画、はからめランドをきっかけに福島の旅を満喫してくれると嬉しいです。

お見送り後はわたしたちも浜通りいわき市の植田印刷さんへ行き、令和サイズの暦とお預かりいただいているヨシ紙を引き取りに行きました。ちょうど印刷、帳合、裁断作業の最中で、作業風景を拝見させていてだだきました。
かつては二人でやっていたことを、たくさんの人の手を通して形にしていただく工程を見ると心動かされます。毎年お世話になることで生まれてくる繋がりと、継続していくという連帯意識のようなものを感じ、丁寧にひとつひとつを積み上げていくことの大切さを改めて学ばせていただきました。 製作してくれる方、販売してくれる方、たくさんの方の手をおかりして「はからめ月のカレンダー」がみなさまのお手元に届くことになります。ただいま中秋の名月発売に向けて休みなく手を動かしています。

カレンダーの印刷が徐々に上がってきました

カレンダー製作に必要なものを何店舗か巡って購入し、星が輝く時間にランドに帰ってきました。
今頃友人家族は花火でもやっているかな、星空の下楽しい時間が過ごせているといいな、福島の夜空は満天の星です。わたしたちは夏休みの札をすべて使い切ってしまったので、ここから先は暦の完成に向けてノンストップの集中期間となります。



関連サイト : わしだ鍼灸院 ・ living studio vi

はからめランド
ただいまランド 
2022年8月20日(土)

横浜を経由して福島のはからめランドまで戻ってきました。
横浜では久しぶりに義弟と会いました。帰省中の弟は実家の断捨離片付けスイッチが入っていて、その流れに乗りました。本棚の本を処分するというので手に取った1988年の『暮らしの手帳』には夏の大掃除の記事が掲載されていて、大掃除は一人では大変なので家族が帰省しているときにみんなでやりましょうと書かれていました。これはやれというサイン。疲れているからとかもう出発するからと言っていたら先延ばしになってしまいます。出発時間を遅らせて兄弟しばしの片付け大会。しばらく滞っていた和室の畳を入れられたのはよかったです。旅の軌跡を思いながら、大掃除による夏の大祓えを感じます。

はからめランド

旅の間に月の手帳の誤植が見つかりました。お知らせくださいました神奈川県の山本さまどうもありがとうございました。
手帳をお使いのみなさまへ、この度は間違いに気づかずにすみませんでした。
一斉メールを送らせていただきましたが、届かない方もいらっしゃると思います。
訂正箇所はこちら、またはWEBサイト右上の「月の手帳2022を手にされた方々へ」をご覧ください。
二百二十日は9月11日です。

はからめランド

約2週間ぶりのはからめランドは予想通り、草に覆われていました。
朝夕さっそくの草取り中にアブとブヨにやられました。わたしが草取りをするとほぼ100%の確率で虫に刺されます。翌日から完全対策として、服の上から(雨でもないのに)レインウェアを着て帽子の上からネットを被り、肌に虫が触れられない状態で草取り作業をしています。違和感はありますが、これで虫に刺される心配はなくなりました。全身を覆っての作業は防護服を着ている感覚です。

はからめランド

中秋の名月を思い出させてくれるような二百二十日の誤植、今年の中秋の名月は9月10日です。暦の発売日は中秋の名月を目指しております。例年よりちょっと早いので、すべての暦が完成できるかわかりませんが、ただいま旅から戻り日々暦の製作にとりかかっております。
山のリズムに体を回復させながら、心身ともに集中して臨んでいます。

はからめランド

気候変動や政治不信など心穏やかではありませんが、自分の軸を外に求めず芯を持って生きるための指針としての暦、完成しましたら今年は暦の話会を開催して、みなさまと会える機会を作りたいと思います。リアルな出会いは魂を感じさせてくれます。


関連サイト : 月の手帳2022を手にされた方々へ

こつぶさんと一緒に
モダナークファームカフェ・穀菜食堂なばな 
2022年8月13日(土)

徳島では阿波踊りが開催されています。阿波踊りを拝見したい気持ちもありましたが、帰路につくことにしました。大潮の今日は一段と大きな鳴門が見られるかも、鳴門海峡を渡って神戸を通ります。

神戸の「モダナークファームカフェ」のこつぶさんに会い、しばし有意義なひとときをいただきました。[モダナークの地球学校」でお話会を開催していただいてから、こつぶさんとは地球つながりが続いています。街中にある木造の洋館「モダナークファームカフェ」、ヴーガンスィーツのメニューもあり、店内ではナチュラル志向の食材も購入できます。本棚に並ぶ本も興味深く、都会のオアシスのような存在です。神戸を訪れたらぜひ足を運んでみてください。とっても素敵な空間です。

日佐美さん&サブローと一緒に

道中尼崎を通るということで、突然思い立って「穀菜食堂 なばな」のひさみさんに連絡しました。愛犬サブローが今年の3月17日に旅立ち、その後のひさみさんの新しい生活を心で応援していたので、会いに行けるタイミングがあるなら今だ!とばかり伺いました。突然の来訪を「おもろい夫婦やなぁ」と笑顔で快く迎えてくれました。魂となったサブローにも会いに行ける機会となり、神山、神戸を通り抜けて来た話をしたら神つながりなのか、今私たちに必要なメッセージを伝えてくれました。
そういえば世間ではお盆。ご仏壇にお線香を、と手を合わせていると、どこからかもくぎょの音が聞こえてきました。もくぎょに見立てていたものは匠くんが仏前に置いてあったヘルメットを叩いている音でした。サブローが魂になったあと、ひさみさんはバイクの免許を取得し、なんとカブに乗って旅に出るという目標を達成。有言実行、前に進む努力は勇気を与えてくれます。
「穀菜食堂なばな」はただいま料理教室やワークショップなどを不定期で開催しています。毎週木曜日には「オーガニッククロッシング」の有機野菜の販売もあり、店内ではボディクレイの粘土の石鹸や、乾物・豆類の量り売りもあり、地域のコミュニティの場となっています。


関連サイト : Modernark pharm Cafe ・ 穀菜食堂なばな ・ めぐる八百屋 オガクロ

月とカヌーとお米と小麦のお話し会
月とカヌーとお米と小麦の話 
2022年8月12日(金)

匠くんの四万十塾での兄弟子、神山で「つよし流自然農」という屋号でお米を作っているつよしくんがお話会を企画してくれました。自然農で作ったつよし流の赤米黒米で炊いた玄米おむずびとつよし流の小麦を使って焼いた全粒粉クッキーをいただきながら、わたしたちの福島での生活を暦を通してお話させていだきました。神山で月のカレンダーをお取り扱いしてくれている「COCO歯科」のCOCOとも久しぶりに会え、カレンダーでつながる方々へと、五行思想と六十干支の説明もさせていただきました。神山の素敵な方々と会えた嬉しい時間でした。

月とカヌーとお米と小麦のお話し会

9年ぶりに訪れたつよしくんのお家。
わたしたちが来るからと、一生懸命片付けてくれたのだそうです。
人が来ると気が流れる、そういうメッセージが届いたのかもしれません。

つよしさんとCOCOと一緒に

つよしくんが縁ある方から譲り受けたとされる土地も見に行きました。
かなり手を入れないと住めるまでに至らないほど樹木に覆われていました。まずは廃屋を片付けるところからスタートでしょうか。目的があれば前に進むことができます。どこにエネルギーを注ぐかを集中して日々の暮らしの中から地道に行動していくことで見えてくるものがあります。
神山は移住促進の町でも話題となっているようです。

自由な土地

山を開拓して自分で家を建ててみたいというワイルドな行動力のある人、ぜひつよしくんと繋がってみてください。わたしたちは開拓しながらテント暮らしをしていました。今回のお話会でもテント暮らしから家を建てるまでをスライドを見ながら話させていただきました。
やりたいという意思と継続という忍耐、日々あきらめずに手を動かすという行動力によって、物事は前に進んでいきます。
また神山を訪れる機会がありますように。しばらくは遠隔で応援をしようと思います。


関連サイト : つよし流自然農 ・ COCO歯科

藤崎家
藤崎家・あいラブSTONE・SO-AN with ビスタリ食堂・めぐみめぐる 
2022年8月11〜12日

四万十塾の元スタッフでもあり、月のカレンダーを通して繋がっている窪川(現・四万十町)に住むもっちゃん家族を訪ねました。長男帆杜(はんと)が薪でお風呂を沸かしてくれてお出迎え。もっちゃん、みさとちゃん、帆杜、円綾(まあや)家族との楽しい時間を過ごさせていただきました。昔四万十塾で飼っていた(のちにもっちゃん家で)白猫のムーンの写真がなつかしく、時の流れを感じます。

愛乃コーポレーション

高知市で月のカレンダーをお取り扱いしてくれている「あいラブSTONE」の村中愛さんに会いに行きました。「あいラブSTONE」は石の販売だけでなく石の浄化もしてくれる石の杜という水晶の場があり、ご縁で繋がる人々が愛さんのまわりに集まってくる憩いの空間となっています。今日はお店の定休日ということもあり、オフィスと会員制ルームでお話を伺いました。
村中愛さんは『プレアデスメシアメジャーからのメッセージ』などの著者であり、各地で講演会を開催しているスピリチュアルリーダーでもあります。出会ったのは20年ほど前、匠くんはペルーで、私は高知で不意義な出会いをしています。あれからお互いに変化がありましたが、今もこうして繋がり続けることができて嬉しいです。

SO-ANにてビスタリの2人&キヨシさん

高知県南国市にある「ビスタリ食堂」のまぁみいとまっとんに会いに行きました。本日ビスタリ食堂は定休日でしたので、2人がお気に入りのお店「SO-AN」で待ち合わせしました。「SO-AN」店主のキヨシさんはサーファーで、世界の海を経験してきた経緯から食の大切さを感じ、地場産の食材で丁寧な食事を提供し、キヨシさんを慕って集まる仲間たちのとのコミュニティの場となっている素敵なお店でした。まっとんまぁみいとの時間はいつもいいエネルギーに包まれています。
みんなにW&Cカヌーを見てもらい、高知に住む友人宅へと向かいます。

めぐみめぐる農園

東京時代の友人ユキコ&ジュンペイに会いに行きました。
高知に移住して8年、彼らは「めぐみめぐる農園」とういう屋号で野菜を作って販売しています。ユキコはアフリカのマリ共和国の女性たちのとのフェアトレード商品としてシアバターを輸入し、「シアコロ」という名でクリームなどを製造・販売しています。ジュンペイは作った野菜で食事を作り、季節ごとの御膳を提供しています。
2人はかつて東京三軒茶屋にあった「ふろむあーすカフェOHANA」で働いていた経緯があり、フェアトレード商品の販売、オーガニック食材の提供を学んできたことを自分たちのやり方で実現しています。
ジュンペイ、ユキコが自家農園の野菜で腕を振るってくれ、楽しい夜を過ごしました。
旅をしていろいろな人たちを経由してくると見えてくるものがあります。
2人のこれからに新しい風が吹き抜け、いい気が流れていくこととなれば幸いです。

「今日は満月だ!」
ユキコが月のカレンダーを見て言います。
このカレンダーは時を越えてつながれるツールでもあります。
今回の旅でもこのカレンダーが私たちの行く先々にかけられていて、離れていても繋がっている感を感じています。
高知のオーガニックマーケットに出店している「めぐみめぐる」の2人。出会った方はぜひ声をかけて仲よくなってくださいね。


関連サイト : あいラブSTONE ・ ビスタリ食堂 ・ SO-AN
めぐみめぐる農園 ・ めぐみめぐる(シアコロバター)

とーるさんとインディ
四万十川
 2022年8月8〜9日(木)

四万十川に来ました。

四万十川は匠くんが四万十塾でガイドとして過ごしてきた故郷とも言える川です。
匠くんの師匠である四万十塾のとーるくんにインディアンガールを連れて会いにきました。

四万十塾は4泊5日かけて四万十川をくだるツアーを開催しています。
初めてカヌーに乗るゲストにはきちんとレクチャーをしてカヌーの基本的操作を教え、ゲスト同士でカヌーを動かせるようになったら川旅がはじまります。瀬のあるところや隠れ岩、パワーのあるこの四万十川を自分の力を最大限に発揮して安全にくだれるようにガイドしてくれます。わたしがカヌーを知ったのもこの川旅がはじまりでした。
その後いくつかの川をくだって知りましたが、初心者に自分のパドリングで川をくだれるようにガイドしてくれるところは数少なく、四万十川という流れの大きな川を4泊5日かけて旅をしながらその技術や世界観を学べるところは他にはないのではないかと思います。リピーターも多く、カヌーに乗れる人を育成してきたその功績は一目置かれるところだと思います。

四万十川

とーるくんはツアーとツアーの合間の2日間、インディアンガールのために時間をとってくれました。ツアー前入りしていたリカコさんも一緒に川下り。
匠くんは飲みすぎて痛い目を見ましたが、翌日リベンジする機会をいただき再び三島からスタート。四万十塾では通称スタトレ(スタッフトレーニング)といわれるラフトのコースでもあり、初心者は足がすくむような瀬が続きます。とーるくんにインディアンガールを使ってもらい、四万十塾ガイドのケンくん、ゲストのリカコさんと3艇4人でくだります。
ベースキャンプとしているふるさと交流センターで上陸してお昼ご飯、その後わたしも加わって3艇5人の川旅です。
最大の難関、川内の瀬のところでスカウティング、ここではケンくんにインディアンガールを使ってもらいました。

四万十川

四万十塾のガイドのおかげで無事に瀬を越えることができ、わたしたちにとっては久しぶりの四万十川を感じさせてもらうことができました。やはりこの川の魅力はそこに住みそこを守り続ける人たちが川とともに生きていることに他ならず、川と人との関わり方の上でも四万十川が最後の清流と呼ばれる所以があるのかもしれません。
川にも大きな意識があるように感じた四万十川。
この川は生き続けています。



関連サイト : 四万十塾

がってんのベース
今治・仁淀川
 2022年8月6〜8日(木)

6日夜、無事に灯籠流しを終えて、そのまま今治に住むがってんとパートナーのはるなさんの家へと伺いました。がってんとはるなさんの新しい拠点は広い敷地と二つの山と日本家屋。現在家を改修しながら暮らしています。夜中に到着しましたが話は尽きません。家づくりの工程を見てその面白さを分かり合えるのは、自分たちで手を動かし工夫してものを作り上げて行く世界を知っているから。同じ世界を感じられることが嬉しいのかもしれません。

スタート

7日、高知県の仁淀川へ。

がってんは匠くんにとって四万十川でカヌーと出会った頃に四万十塾のとーるくんと共に導きを与えてくれた大きな存在です。今回がってんにも製作したインディアンガールに乗ってもらいたいと思い、がってんがよく知る川である仁淀川を案内してもらいました。
がってんは北海道でカヌーのガイドとして多くのカヌー乗りたちを育ててきました。私たちが会ったガイドたちもがってんから学びを受けた人たちがたくさんいて、今では彼らがスタッフを育て自分たちのフィールドを開拓してガイドをしています。今回の水を運ぶ旅では水とともに人からのメッセージも一緒に運んでいるような気がしています。

がってん

現在がってんはシーカヤックで瀬戸内海を渡り、子どもたちを7泊8日の無人島へと連れて行くツアー「しまなみ野外学校」を主催しています。東日本大震災のときには一緒に活動していたオープンジャパンの仲間でもあり、カヌーの世界だけでなく繋がり続けている存在です。
そのがってんが今治でパートナーとともに新たな新拠点を開拓しているその時期に訪れ、4人で仁淀川をくだろうということになりました。
初めましてのはるなさんとは共通の友人知人がたくさんいて、同じ世界観を感じました。アートと音楽、イベント制作の経験を生かし、フィールドに出ているがってんを支え、新たな境地へとがってんを連れて行ってくれるのではないかと思います。お互いに新しい世界を共有しあえることで大きな輪が広がってたくさんの人たちとつながり、その考え方やノウハウを生かしあえる世界を描いていくような気がします。自分たちの暮らしを通して社会とどう関わるか、次のステージに向けて新たなチャレンジが始まる予感、前に進み続ける人たちはいつも魅力的です。

沈下橋

仁淀川は目を見張るほどに水がきれいで、たくさんの人たちが水辺に親しんでいる光景が見られます。上流部の澄んだ碧い水は仁淀ブルーと言われるほどに美しく、漁をする川舟も見られ、川と人とが共に暮らしているのが感じられます。

がってんのよく知るフィールドでもあり、キャンプ地に最適な誰もいない河原に案内してもらいました。テントを張って火を焚きます。静かな水辺で沐浴し、焚き火でご飯を作りながら仁淀川の夜を過ごしました。

カヌーを岸につけて水の流れを下見する

8日、通称ラフトコースといわれるところをカヌー2艇4人で下りました。途中瀬のあるところではスカウティングしてコースを見て、水の流れをよみます。

インディと2人

流れのないところで実験を試みさせてもらいました。インディアンガールを水沈させて水抜き方法を試します。youtubeで見ていたようにはいきませんでしたが、できないことが分かればできるやり方を選択することができます。

真剣に、楽しく、また真剣に、学び多き川旅となりました。わたしにとっては初めての仁淀川、とてもいい時間を過ごさせていただきました。

ゴール地点にて

4人で過ごした4泊5日の広島今治仁淀川の旅が終わります。
あっという間の時間だったような、ずいぶん前から一緒に長い旅をしてきたような、 この出会いからはじまる世界は新たな融合を経て大きな流れとなる、ような気がしています。



関連サイト : しまなみ野外学校

ニス塗り
灯籠流し。
 2022年8月6日(土)

広島で迎える朝です。
8時15分、黙祷。
原爆が落とされてから77年の年月が経ちました。

ニス塗り

9時、平和記念公園の中の、中島本町の法要に参加させていただきました。
この機会をいただいたのは、毎年灯籠流しでお世話になっている下井さんのお話を伺ってからのことです。下井さんは灯籠流しの前実行委員長で、下井さんが実行委員長だった当時にカヌーで灯籠流しのお手伝いが始まったこともあり、毎年連絡をとらせていただいています。

「かつてこの場所は広島で一番の繁華街だったんじゃ。この中島本町をはさんで東の遊郭、西の遊郭があってな、ビリヤード場は2つあったかな、映画館や喫茶店もあってな。この地図にある旅館の息子が有名な吉川晃司や、」
町があった頃の地図を見せてくれました。 今平和公園となっている場所はかつてたくさんの店や家が並び、下井さんのおじいさんお父さんの家もその中にありました。
それが一瞬にしてなくなってしまったこと、焼けただれた人の山、水を求めて積み重なった遺体の話、当時のお父さんから聞いた思い出話を語ってくれました。
今回の法要では88歳となる男性が、子どもの頃にこの場所で遊んでいた思い出を話されていました。

ニス塗り

中島本町の慰霊塔のすぐそばでは「ひろしま音楽まつり」が開催されていました。
今年このまつりに向けて福岡県星野村から歩いて「平和の火」を運ぶということを伺っていました。星野村の山本さんという方が、広島で本屋を営んでいた叔父を探しにきたのですが遺骨も何も見つからず、幾重にもなってまだ燃え残っていた本の残り火を持ち帰り、その火を絶やすことなく守り続けていたものが原爆の残り火とされる「平和の火」です。今では星野村が管理をしていて、その火を分けてもらいにわたしたちも何度か星野村に足を運んだことがあります。
わたしたちは火が消えないように船舶用ランタンや白金カイロでキープしながら運んだのでしたが、なんと今回ひろしま音楽まつりの火運びは羽釜で薪を拾いながら火をキープし、その火で道中の自分たちの食料となるお米を炊いてキャンプしながらここまで歩いてきたのだそうです。すごい気力と精神力です。
わたしたちはその会場へ、水合わせのお水を届けました。
火と水。
広島を象徴するかのようなこのエレメントがまつりの間中、公園内で静かに見守られていました。

ニス塗り

灯籠流しをカヌー1艇でずっとサポートし続けてきたバウさんという方がいて、バウさんが亡くなった2015年から、その意思を引き継いで広島に来て灯籠流しをお手伝いさせていただいています。そのバウさんが好きだったというお好み焼き屋さんでみんなでお昼ご飯。バウさんがそばにいるような気がします。

夕方6時、灯籠流しがはじまりました。
今年のはじまりはちょうど満潮時間で、徐々に潮が引いていき灯籠が岸へと乗り上げてしまうものがありました。カヌーの上からもですが、カヌーから降りて手で水辺へと流していくという作業もありました。匠くんがカヌーから降りている間、わたしが岸辺でカヌーに乗って灯籠を流すことになります。灯籠流しをカヌーの上からサポートするのはとても細やかな動きが必要とされます。紙とろうそくでできた灯籠はとても繊細で、ちょっとした動作で消えてしまったり倒れてしまったりするので、神経を全集中させて静かにパドルを動かします。汗だくになりながら必死になっていると、不思議なことにカヌーの先端(バウ)がゆっくりと振られてカヌーの動きだけで灯籠を流していました。まるでバウに誰かが乗って動かしてくれているかのように思えた瞬間です。

ニス塗り

灯籠一つ一つは一人一人の魂のようです。一人一人の魂をゆっくりと川に流していくお手伝いは、77年の時をつないでいるように感じます。昨年亡くなったという友人のご母堂の魂も広島に帰ってきているのではないかと思いを馳せ、水辺から祈りを捧げました。

8月6日は多くの人にとって忘れられない日であります。 ひとりひとりの記憶の中にも残り続ける日であり、この願いがいつしか世界に届くまでわたしたちは祈り続けることでしょう。

今年の灯籠流しも感慨深いものがありました。


水の祈りへ
水の祈り。
 2022年8月5日(金)

3日、刈谷SAでヒッチハイカーを乗せて岡山まで走りました。大学1年生のユノキ青年とのしばし楽しい旅、初めてのヒッチハイクに至るきっかけは失恋、目的は自立することと子どもっぽさをなくすことだそうで、東京からのヒッチハイクで私たちで5台目だそうです。目的地は大阪と言っていたのですが最終的には広島まで行きたいとのことで、大阪を通り越して道口SAまで乗せ、5日の広島での水の祈りで再会できたらいいねと言って別れました。

3日夜、あるでばらんの俊ちゃんふみちゃんにお世話になり、昨年福島でのコンサート「永遠の祈り」で出会ったチャックさんと再会。水を届けに来てくれていたそうで、旅の始まりは偶然の出来事やハプニングが続きます。
4日、笠岡の友人裕香さんから古くなったカヌーを預かることになり、Old Town Camperを積んで広島入りしました。

なんとも言えない雲

途中、月のカレンダーのお取り扱い店「月舟苫屋」さんを訪ねます。
鞆の浦という漁港の先の、元クジラ漁をしていた古い屋敷を改装して作られたアートと食の空間です。詩人で画家の岸田真理子さんと、自然食、量り売りの店を営む小林佳恵さんのお二人で創るその空間は、美しい佇まいの景観だけでなく、携帯電話の電磁波からも解き放たれた心身ともに癒されるところ、まさにお二人の生き方を表現した作品のような空間でした。

川下り前夜

16時30分、広島の中川圭子さんと待ち合わせて、水の祈りの会場となる場所の管理センターで鍵を預かり、真光寺さんにお預かりしていただいている全国からのお水を受け取りました。
その後わたしたちはカヌー旅のスタート地点となるキャンプ地へ向かいます。今回一緒に太田川をカヌーでくだるがってんとパートナーのはるなさんが待っていてくれました。

水の祈りへ

5日朝、がってん&はるなさん、仙台より到着したカヌー仲間高田さん&OPEN JAPAN仲間のタカ、インフレータブルで参加の裕香さん、わたしたちの計4艇7人で水の祈りのためのカヌーで水運びをしました。
太田川上流は例年よりも水量が少なく、石や岩が出ていてコース取りが難しく、少しでも水の流れを読めないとひっかかってしまいます。スカウティング、ラインニングダウン、沈、大雨の洗礼、ポーテージ、そして渇水から増水しつつある川の上を経験しました。 イベント性も高く、楽しいカヌー旅となりつつも、開催時間に間に合わないのではないかという不安がよぎります。水を運ぶという覚悟と水合わせを行うという志によって、なんとか17時30分、ゴールすることができました。個人的には増水警報と到着時間が気がかりで心穏やかではなかった川旅でしたが、 無事に事故もなく水も運び終えられたことでほっとしました。

水の祈り

雨の後、晴天となったポプラの地で、 W&C カヌーの上に運んできた水、集まった水を並べます。嬉しいことに、無事に広島までたどり着いたヒッチハイカーユノキ青年も来てくれました。

今回の水合わせはティーセレモニーから始まりました。
北海道の友人からいただいたウクライナのお茶とロシアのお茶を入れ、それぞれの体の中で水合わせを行います。それから全国から集まった水をメッセージとともに読み上げ、一つの瓶に注いでいきます。用意していた容器を超える量のたくさんの水が集まりました。

太田川へ献水

太田川に献水し、静かな祈りの時を過ごします。
2015年からはじめて今年で8年目、カヌーでの水運びは3年ぶりとなりました。
少しづつ変わっていく川と人との距離を感じた水の祈りでした。



関連サイト : 水の祈り

ニス塗り
入稿。
 2022年8月2日(火)

朝8:30分、植田印刷さんにて月のカレンダーの色校&打ち合わせ。

何度か色味を調整していただき、ミッションコンプリート。

はからめランドに戻り、カヌーを積んで広島へ向かう準備をしています。

今後移動時間とキャンプ地や水の上にいる時間が多くなります。
メールの確認、返信が遅れますことをご了承ください。


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