閏月に関して
閏月(うるうづき) 
2023年3月16日(木)

今日(グレゴリオ暦3月16日)は旧暦でいうと如月(きさらぎー2月)の25日です。通常ですと如月の次は弥生(やよいー3月)が来るのですが、今年はその間に閏月が入ります。
地球から見て太陽が1年間かけて同じ位置に戻ってくるまでの正確な日数は365.2422日という細かい数字になります。1年間を単純に365日と決めてしまうと季節が少しづつズレていってしまうので、私たちが日々使っているグレゴリオ暦は、4年に1回、閏年に設置されている閏日(2月29日)という1日を入れることによって調整をしているのはみなさんご存じのことでしょう。
旧暦とは新月から次の新月までが1ヶ月なので、その日数は29日または30日となります。これは1ヶ月が30日または31日あるグレゴリオ暦と比べると単純に計算して1年が10日近く短いのがわかると思います。
1年で10日も季節とズレてしまう暦をどのようにして調整をするのかという解決策が閏月です。閏月は約3年に1度入ることになりますが、その設置方法(置閏法(ちじゅんほう))は二十四節気を元に決められています。

閏月の置閏法についてはこちらの海上保安庁のページ「旧暦のあれこれ」に詳しく説明がありますのでご興味のある方はご覧ください。

最近はあまり使われませんが、「数え年」という年齢の数え方をご存じでしょうか?生まれたその年を1歳として 翌年からは元旦にみんな一斉に年を重ねていくという考え方です。
みなさんお友達で2月29日生まれの方が「4年に1回しか誕生日が来ないから僕はまだ10歳だよ〜(笑)」って言っているのを聞いたことがあるのではないでしょうか。現在のグレゴリオ暦でその年に誕生日が来ない人は閏年の2月29日に生まれた人だけです。が、明治5年まで使われていた旧暦で翌年に誕生日が来ない人がどれだけいたかを想像してみてください。約3年に一度設置される閏月の1ヶ月間に生まれた人全員、そして旧暦はその月が29日なのか30日なのかは年によって変わるので、各月30日生まれの人は翌年誕生日が来るかどうか暦を見なければ知ることができないことになります。といったように現在のように「誕生日」という1日を重んじてしまうと、それに乗ることができない人がたくさんいるということがわかります。よってみんなが迷うことなく同じように年を重ねることができる「数え年」という考えが採用されていたということが理解できるのではないでしょうか。

また閏月マニア(そんな人がいるのか?)にとっては最大のイベントが10年後の2033年にやってきます。私たちが旧暦とよんでいる暦の正式な名称は「天保暦(てんぽうれき)」といって太陰太陽暦で最後に使用した暦(江戸時代末期から約29年間使用された)のことをさすのですが、この天保暦で定められた閏月の設置方法では、スムーズに設置できない年がやってきてしまうのです。正式に日本では現在クレゴリオ歴を採用しているため、関係ないよって言っちゃったらそれまでなのですが、旧暦を記載しているカレンダーを作っている人(うちらのことか・・・)にとっては大きな問題となっています。

国立天文台「旧暦2033年問題について」

閏月に関して

先日4月1日生まれの方と会う機会があり、やはり小学校の学年は前年生まれの人たちと一緒の学年だったと話してくれました。そう、その学年は4月2日生まれの方から始まるのです。なぜ、今この話をするのかというと、これも「うるう」に関係があるのです 。
日本の法律は、誰かによって解釈が違ったりしないよう厳密に物事が定められています。結婚は何歳からしても良いとか、お酒は、タバコは、犯罪を犯してしまったその罪も年齢によって違うように、その人がどの瞬間に年を一つ重ねたのかがとても重要になってきます。その年齢を重ねる瞬間というのが法律では「誕生日の前日の24時に歳をとる」(原文ではありません)と決まっているのです。誕生日の前日の24時でも当日の0時でも一緒じゃないかと思うかもしれませんが、法律では「前日」なのです。
小学校に入学する人の条件は法律で「4月1日から翌年の3月31日に満6歳を迎えている人」ということになっているので4月1日生まれの人が満6歳を迎えるのは3月31日となるため、前年度に入学することになるのです。
さて、閏年2月29日生まれの人はどの瞬間に歳をとるのでしょうか?という問題にも法律に基けば異なる意見が飛び交うこともなくその瞬間を導き出すことができますね。閏年の閏日が無い暦を使っていたら、4月1日生まれの人は翌日生まれ以降の人たちと同じ学年になっていた・・・かもしれません。

ここまで「うるう」な事をいろいろ話してきましたが、このような考えも宇宙がピッタリではなくズレながらどこまでも続くから人類は頭を使っていろいろなことを考えられるようになったのだなと思います。全ての物事はピッタリだったら先が無いとも言えるのではないでしょうか。ズレているから違うから先がある、だから夢を見ることができる・・・。そんな感じを「うるう」は私たちに教えてくれているのではないでしょうか。(匠)


すいせん
12年後の翌日 
2023年3月12日(日)

旅の思い出を思い出す間もなく訃報が入りました。
2011年、東日本大震災の後、宮城県石巻市の南境の生活センターにてともに支援活動をしていた仲間が旅立ちました。まだ信じられません。
石巻の土で焼き物をつくる人で、震災後、各地からやってくるボランティアたちを受け入れる「ボランティア支援ベース絆」の事務局として毎日一緒に活動していました。ボランティアの拠点が解散した後も窯を訪れさせてもらったり、友人づてに話を聞いたりカーシェアの事務所で会ったりと、元気な姿しか想い浮かびません。
それ以外にわたしたちが感じている縁があって、
茂木さんは匠くんと同じ誕生日(生年月日)なのです。

同じ誕生日の仲間が旅立つという衝撃。
病気だったことも知りませんでした。
3月11日の翌日に旅立つなんて、ずっと記憶に残ります。
茂木さんとの思い出を思い出しながら、心で話しかけています。


下呂温泉
下呂温泉 
2023年3月9〜11日

この時期なると毎年「ああまもなくまたこの季節がやってきた。」と春の憂が訪れます。
山菜が始まりいい季節なのですが、まだ記憶に新しい3月11日がやってくるので、この日はいつも予定を入れずにこの森で静かに過ごしていました。

今年は友人たちと8年ぶりの温泉旅へ行くことになりました。2月の予定が3月になり、みんなの都合が合う日がこのタイミングでした。12年経ち、ようやく外の扉を開けられるようになりました。
東京、埼玉、富山、高知、愛媛の真ん中あたりの下呂温泉で集合です。
距離も時間も飛び越えて過ごした二泊三日の湯治旅。

花火と雷がこの再会を示してくれたかのように、激しい音と眩しい光のエネルギーが一晩中わたしたちの上にいました。

周波数や次元の話、龍を呼ぶ人退治する人の話、言葉の話、寝る間を惜しんでみんな睡眠不足でしたが、たくさん笑ってたくさん考え、いつでも入れる源泉掛け流しの湯が癒してくれました。すべてがバランスよく調和した時間、窓から眺める飛騨川を時折ガンガーのようにも感じながら、見送り以外は宿から出ることもなく、ひたすら湯治という有難い時間でした。

311,246

最終日の3月11日。帰り道、都内を走る環状8号線(環八)が都道311号線だと標識を見て初めて知りました。
地震が起きたのは2時46分。311と246の交差点は瀬田です。だから何ってことはないのですが、宇宙のリズムはいつでも答え合わせのように教えてくれます。


梅樹庵でのお話会
こよみのお話会@梅樹庵 
2023年3月8日(水

神奈川県横浜市二俣川にある梅樹庵さんでこよみのお話会を開催しました。
梅樹庵さんは心と身体の癒しの場として、太極拳、ヨガ、カラー診断、料理教室、陶板浴などの教室やワークショップを開催しているご自宅サロンです。イベントや教室の日には酵素玄米の養生ご飯も予約できます。
私たちもこよみの話が始まる前に参加者のみなさんとご一緒させていただき酵素玄米ご飯をいただきました。一緒に食事をとると初めての方々とも一気に打ち解けた雰囲気となります。この調和の波動で始まったこよみのお話会、今回も来るべくしてこのタイミングで来た、という感じの会でした。

梅樹庵でのお話会

今回のお話会には訪れるのが初めての方や久しぶりの方もご参加されていました。こよみの話だけでなく、庵のみなさんとのお話の中に実はいろいろなメッセージがこめられていたのではないかと思います。経営者やカウンセラーの方々が多く、日頃から太極拳やヨガ、養生ご飯を食べている方々の感覚は繊細で、スピリチュアルな意識の話が普通の世界で語られていました。
春分前の満月の翌日のこよみのお話会、こよみを通してメッセージの交換をさせていただいていたように感じた会でした。

主催の梅澤さんはご自身のご経験から心と身体への健康意識がとても高く、研究熱心です。思いやりあふれるそのお人柄にお仲間が集まって学び合っているとても明るい場所でした。学び成長しながら楽しく歳を重ねていけることは素晴らしいことです。それが美しさの秘訣かもしれません。



関連サイト : 梅樹庵

すいせん
リユース 
2023年3月1日(水

3月になりました。
七十二候では草木萌動(そうもくめばえいずる)、草木が芽吹き出す頃です。
三寒四温、寒い日が続いたあとに暖かい日がやってきて、春の気配が感じられます。

アップサイクル

恵比寿の雑貨屋さんで見かけた古布のコースターにヒントを得て針仕事。
かつてインド、バングラデシュで見た刺繍文化を思い出します。
インドの古道具屋さんで初めて見たときに夢中になり、刺繍のハギレを買っては縫いつなぎ、手縫いでバッグを作りました。旅の間に完成させたい一心で、毎日3つのお店に刺繍を見に行くのが日課のようになっていて、大きな作品も見させてもらっていました。
カンタとかノクシタカと呼ばれる刺繍は、サリーなど着古した薄い生地を何枚も重ねて刺繍を施したもので、地域や民族によってパターンが異なります。これこそものを大切にする心と暮らしに根付いた創作性とが合わさった民間芸術です。

日本にも刺し子の文化がありますね。一筆書きのように考えられた刺し子のパターンを見ているだけでも惚れ惚れします。

現代風に言えばこれぞアップサイクル。
穴が空いたり生地が薄くなったりして服としては使われなくなったものでも、新たな用途を見出すことができます。

コースター

雑貨屋さんで見たコースターは至ってシンプルでした。
生地を何枚か重ねてなみ縫いをしただけで、橋の始末もなく切りっぱなしでした。折り返したりかがり縫いを施してもいいのですが、かえって切りっぱなしの方が味があって素敵でした。たまにおしゃれな雑貨屋さんを覗いてみると、いいアイディアに遭遇することがありますね。

リユースペットボトル

アップサイクル、リサイクルと続いて、今月のカレンダーの左端にはリユースを紹介しています。捨ててしまう前に、素材と用途によってはもう一度使うことができます。

ものがたくさんある社会では、買う前捨てる前によく考える意識を持ちたいですね。



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