カヌーのシートを編む
カヌーのシートを編む。 
2023年5月27日(土)

カヌーのシートを編んでいます。
最初に作ったものよりさらに細かく、何度か編んでみて改良を施しています。
このパターンは複雑で、今のところ匠くんが解読しそれを自分なりに改良してひとりで製作しています。

「すごいきれい。いいね、これ。」
「シートだけ欲しいって言われたらいくらかな。」
「材料費と製作時間で計算してみたら?」
ここまでくると工芸のような出来具合、美しさだけでなく、座り心地と丈夫さもかなりよいです。この改良版は使い続けていくうちにもしもたわんできたら、紐を締めてピンと張れるようにしたのだそうです。ウッドアンドキャンバスカヌーにふさわしいシートとなりました。

編むための道具を作る


草木が繁り日々こつこつと草むしりをしています。
残したい植物とのすみ分けを考えながらもくもくと土の上で草を取る時間はまるで瞑想のよう。実際に場所も心もすっきりとして瞑想後のような気持ちを味わえます。

心のもやもやや解決できない悩みの種は考えてもどうにもなりません。
草むしりをして家周りをきれいにしたり、家の中の掃除をいつもよりも丁寧にしたりすることで心も晴れていきます。
窓を明けて風を通して窓のさんのほこりをとる
部屋の四隅やゴミ箱など、ほこりが溜まりそうなところをきれいにする
お風呂場や脱衣所、洗面所などを掃除する
きれいになったら花を飾る、お香を焚く、キャンドルを灯すなど、気持ちをリセットするようなことで今日を快適に過ごすことができるかもしれません。

クレソン場草取り前


アーサナが主になりがちなyogaですが、yogaの八支則(アシュターンガヨーガ)という教えがあり、アーサナの前にヤマ、ニヤマがあります。

1 ヤマ(禁戒)
2 ニヤマ(勧戒)
3 アーサナ(ポーズ)
4 プラーナーヤーマ(呼吸法)
5 プラッティヤハーラ(五感の制御)
6 ダーラナ(集中)
7 ディヤーナ(瞑想)
8 サマーディ(三昧)

このヤマ、ニヤマはそれぞれ5つ、合わせて10の教えです。聖書でいえばモーゼの十戒のようなもの。

ヤマ(禁戒、気をつけるべきこと)
・殺さない
・嘘をつかない
・盗まない
・衝動で行動しない
・不要なものを抱え込まない

ニヤマ(勧戒、するべきこと)
・清潔にする
・足を知る
・規則正しく生活する(修行、忍耐)
・聖典読誦(真実について学ぶ)
・自然の摂理を知り祈り委ねる(神に祈念する)

ヤマはできてもニヤマはいつも意識していないと忘れてしまいがちなことです。
清潔にすることはとても大切なことです。この清潔というのは自分の体だけでなく、住まいや持ち物すべてにかかっています。

アーサナを学ぶことも楽しいですが、このアシュターンガヨーガは生きる上での指針となってくれます。yogaを学んでいる人はこのアシュターンガを学びますが、アーサナの前にこのヤマ、ニヤマを実践していくことが日々大切なこと、そしてyoga的な生き方をしない人たちにとっても役にたつ教えだと思います。

クレソン場草刈り後

セリとクレソンを残して草を刈りました。

何度も生まれ変わるということがあるとするならば、以前の生でこのマントラを唱えていたかもしれません。
3500年以上前から唱えられているというガヤトリーマントラ、このヴァイブレーションはネガティブなものを消してくれるといわれています。



今日の一曲 : Gayatri Mantra ガヤトリーマントラ Namaste [YouTube]

ラディッシュ
停電と自然農。 
2023年5月24〜25日

日々山菜ばかりを食べていましたが、今年初めて畑の収穫物をいただきました。
ラデッシュ、和名は二十日大根といって、名前の由来からして種を蒔いてから二十日でできるはずなのですが1ヶ月以上かかりました。まだ小さいですが、間引きを兼ねてサラダの彩としていただきます。

キャンドルナイト


夕方18時頃、何の前触れもなくいきなり停電になりました。
まだ外が明るかったので自然光でできることをやり、日が残っているうちに外でワインを飲みながら停電の原因について考えます。雨も風もなく穏やかな気候、こんな日にもし戦争が始まったとか思いもかけないことが起こって電気が止まってしまったのだとしたら…。
今朝のニュース、女川原発の再稼働に住民が反対して裁判をしていたのが否決されたとのことを思い出します。
東日本大震災のときには女川原発も避難所になっていて、原発の中は火器厳禁とのことで住民さんは毎日冷めたお弁当やパン食だったそうです。当時炊き出しをしていた石巻市内の港中学校の武道場で温かい汁物をつくり、車で女川原発まで運んでいた時のことを思い出しました。原発に入るには写真付きの証明書とサインが必要で、写真撮影は禁止、緊張しながらも大きな寸胴を運んで避難所となっている体育館でお椀にお味噌汁をよそってお惣菜を並べて、毎回行くことに意義を感じていました。何度か通い、避難所が閉鎖となる最終日には住民さんが拍手で感謝を伝えてくれて、みんな涙を流しながら帰ったことを思い出します。
住民側の訴えが退けられたことにより、女川原発は2024年に再稼働されることになるのだそうです。いのちがかかっているので、住民側は上告するとのこと。どんなに原発の安全性を伝えても、毎日全国各地で起きている地震を考えれば安全なものなんてないことは誰でもすぐ気づくはずです。

ソーラー発電のあかりの中で夕食の支度をし、ろうそくを灯し、久しぶりの電気なし生活に少しワクワクしながら夜を過ごしました。薪ストーブで食事を作れるし水は山から引いている、お風呂も薪で焚いているので電気がなくても大丈夫だね、と話しながら、ご近所さんはオール電化にしたと言っていたから明日様子見に行ってみようか、でも山生活の人たちだからきっと大丈夫だろう、と。

はからめランドのはたけ


一晩明けて、結果から言うと、停電はうちだけでした。
理由は分からず外のブレーカーが落ちたことによる停電だったので、ブレーカーを上げれば解決しました。いったいなんだったのでしょう。
ブレーカーが落ちる原因には漏電の可能性があるかもしれないそうですが、それも不明です。

テント生活をしていたときには電気なしのときもあったので、久しぶりの電気なし生活もいろいろ考えたり工夫したりできてなかなかよかったです。
自然農法で有名な福岡正信さんは電気なしの生活をされていたとのことを思い出しました。
自然農法とは農薬どころか肥料も入れず、耕したり除草したりもせずに野菜を育てるそうです。私たちの畑は耕しているとは言い難いですが 一応鍬で畝を作り、いつの間にか除草できなくなってしまうのですが多少の草むしりはしています。自然の力だけで野菜を育てることができるようになれば楽だろうな、と思いながらも軽く耕して種を蒔いています。

いちごカバー

我が家の自然農法といえばイチゴ。耕さず除草もせず堆肥も入れていません。そろそろ収穫時期、なんと、食べごろのイチゴが食べられていることに気づきました。
毎日ヒヨ鳥が来ているなぁと思って分け合いっこしようと思っていましたが、赤くなったイチゴ全部を食べてしまうので対策を講じることにしました。
これまで何年も食べられたことがなかったのですが、きっと今年初めてイチゴを食べてその味を知ってしまったのでしょう。今となっては自生していますが、もともと自然界にはない品種ですから、ヒヨ鳥にとっては発見だったのではないかと思います。

電気のない生活はキャンプにでも行かなければ経験できないかもしれませんが、ときどき電気なし体験をしてみると普段考えないことを考えたり、足るを知ることにもつながりますのでおすすめします。電気がオフになり電磁波が通らなくなって見えない何かがオンになるのかもしれません。

福岡正信さんの動画、自然農法のお話ではありませんが、考えるきっかけにどうぞ。



今日の動画 : 自然農法家 福岡正信さん 世界戦略語る [YouTube]

ユニックで万能機を吊る
木工機械を譲り受けに。静岡県磐田市。 
2023年5月12〜15日

2016年の熊本地震。そこで支援活動をした際に僕と同じ現場に入ってくださったのが静岡県からやってきた大工さんのヤッさんでした。僕もヤッさんも鈴木さんなのでお互い名前で呼ぶことに。1日というか半日の作業だったのですが、その後も連絡を取り合うようになりました。
当時の記事はこちらから2016年5月20日(金)をご覧ください。

何度かお会いするようになって、ご自身が大工の仕事を辞める時に使っている木工機械を譲ってくださるとの話を頂きました。

ユニックにものを積む

あれから7年経った今日、まだヤッさんの元には大工仕事がちょこちょこやってくるとのことでしたが、200Vで使う機械を譲っていただく日がやってきました。ご近所さんにお借りしたユニックに乗って2人で静岡県磐田市まで片道約450km、雨が降るのがわかっていたので大きなシートを用意して向かいました。

譲っていただく機械は万能機といって通常だと別々である3つの機械が1つになったものです。重さは880kg、僕が今まで扱ったことがない重さです。それと他の200V電源の機械もあわせて2トントラックにギリギリピッタリの量です。

雨仕舞い

ザーザー降りの雨の中を走るので養生は万全に。シートの上にシートを重ねます。
この日はヤッさんのお宅に1泊、奥さまの順子さんのお料理をいただき、いろいろな話が飛び交う夜でした。翌日は朝出発、慣れていない車なのでかなり慎重に運転をしました。

無事に到着

途中、実家を経由して無事に福島に戻ってくることができました。この880kgを下ろすところまで気を抜けません。

慎重に下ろします。

工房の中ではユニックのアームを伸ばすスペースが確保できないので、チェーンブロックというものを使って一つ一つの動作を確実に行なっていきます。「880kgは一歩間違えると死ぬ重さ」と何度も何度も頭の中で自分に話しかけます。

無事に地面に下ろすことができました。
簡単に配置を変えることができないので場所もバッチリ決めたいところですが、木材が置いてあったり片付けられていないものが置いてあったりと、なかなか一発では決められません。まずは使いながら一番いい場所に落ち着くまで場所的な心地よさを求め続けることにします。

とりあえず、今回は無事に事故も怪我もなくミッションコンプリート。翌日ユニックを綺麗にしてからご近所さんに返した時、風の音が「おめでとう」と拍手を送ってくれたように感じました。

とても高価な機械を譲って頂きました。もちろん嬉しいのですが、正直言って嬉しさより自分はこの機械を扱うのにふさわしい人間なのかという問いが頭の中を駆け巡ります。一人の人生で築き上げてきた大きな何かを引き継いだことは確かです。
僕にできることは、ただただできることであり、それ以上でもそれ以下でもないから、今できることを一生懸命にやるしかありません。それしかないのだから迷わずに今日もできることを。やるなら今しかねぇ。というわけで今日の一曲はこちら。おまけも一緒に。




今日の一曲 : 長渕剛 ー 西新宿の親父の唄 [YouTube]
おまけ : ドラマ「北の国から」のワンシーン [YouTube]

型から外す
カヌーを型から外す 
2023年5月9日(火

カヌーをフォーム(型)から外します。これで実際にカヌーに乗る時に見える部分が初めて見えるようになります。木の色味や、年輪の感じなどもちろん内側(見えない部分)を想像しながらフォームに打ち付けていくので綺麗なはずではあるのですが、やはり実際に見るまでは安心できないかなと。

歪み取り

フォームから外して最初に行うのは歪みを取る作業です。カヌーを水平に設置して水糸を張ってセンターラインを出します。カヌーの縁の部分(Insaide Gunwale)を押したり引いたり、ほんの数ミリの違いでカヌーの形が変わります。ビシッと左右対称に合わせることができたら、先端の三角部分(Deck)を固定することによって形を決めることができます。

シアープランキング

そして残りの板張り部分(Planking)を塞いでいきます。全部塞がったらカヌーのシルエットが完成。次は釘の締め付け作業です。

タケノコを干す

タケノコがたくさん手に入ったら、タケノコで保存食を作ることができます。
糠でアク抜きをしてタケノコの煮物を作る要領で、そのまま食べられるくらいに下味をつけます。
細く切って乾燥させれば出来上がり。

干しタケノコ

そのまま食べればするめのような噛み応え、ヴィーガンするめと呼ぶ人もいます。
半干しでもいただけますが、よく乾燥させれば1年間保存できます。
おつまみとしてそのままいただくこともでき、水で戻して料理に用いることもできます。

山菜

夕方になると森へ夕食の素材を探しに行きます。
今日の収穫物はおひたし、炒め物、天ぷら、サラダ、汁の実になります。

本日の一曲は、毎日のように大地の恵みである山菜を頂くことができて「しあわせだなぁ」と思ったのでこの曲にしました。どこにいる人も感じることができるのが「しあわせ」です。



今日の一曲 : 榊原郁恵 ー しあわせのうた [YouTube]

たんぽぽ
立夏 
2023年5月6日(土

二十四節気の立夏(りっか) 暦の上での夏、夏の気配が感じられる頃です。

七十二候「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」カエルが鳴き始める頃です。

アウトウェルのプレベンド

黄金週間、外出したりお休みを満喫している人も多いと思います。
月とカヌーの黄金週間は、いつにも増して森での時間を多く過ごしています。
朝から日が暮れるまでカヌーの製作に時間を使っています。

プランキング

同時に2艇の製作を進めています。速さも大事ですが、丁寧さを優先し乗り手の気持ちを想像しながら作り上げていきます。
プランキングの曲げや捻りが多い部分は、お湯とアイロンを使って慎重に曲げていきます。明日にはフォーム(型)から外すことができそうです。

アマガエル

黄金週間はわたしたちにとって、山菜、薬草の収穫時期でもあります。

スギナ

薬草の本には、「スギナはガンをはじめ難病に効く」とありました。
薬草は同じのものが誰にでも同じように作用するわけではありませんし、一つのものを多量に摂るのがいいというものでもないので、採取して摂取して試してみてから用いるようにしています。
植物の効能は細く長く、その植物の形態のように用いられるものなのではないかと思っています。

山椒の花

野生の山椒には雌株が少なく、山で見つける山椒のほとんどが雄株です。
花が咲くのは雄株で実はつきませんが、この小さな花もいただくことができます。
醤油漬けや塩漬けにしてご飯に添えるとほんのりいい香り。
ピリリと効く山椒の実とはまた違った味わいがあります。

とても小さな花なので、収穫したものは洗わずに花の香りごといただきます。


本日の一曲は、「わかったんじゃない、思い出したんだ・・・」山椒の木の歌です。



今日の一曲 : ザ・クロマニヨンズ ー あさくらさんしょ [YouTube]
2023年6月<  >4月