Water of earth, moon and sun
世界中の海岸沿いで、海からの恵みを上手に頂いている方、漁師さん、サーファーのお兄さん、海上保安庁でお勤めの方などなどの皆さんは、生活の一部になっているであろう潮汐。(「ちょうせき」と読み、潮の満ち干きの事)
さて、この海面が高くなったり低くなったりの現象は、なぜ起こるのでしょう。これが理解できると、地球の上に立っているのを肌で感じる事ができて結構面白いですよ。潮汐は海だけに影響を与えているわけじゃなくって、地球上の全てに関係があることなんだから。そんな中、たまたま分かりやすいものが水、そう、海という訳です。しかも、そんなに不思議な事じゃないんだこれが。もし、僕がこれからする説明の文章が分かりやすく上手に書かれていれば、誰でも理解できるけれど、もし理解できないようだったら僕の文章が悪いとあきらめてください。「海が高くなろうが低くなろうが俺には関係ねーぜ。」っていうイキのいい男の子もちょっと読んでみてね。

ではまず、知っていないと話ができないのが太陽地球の位置関係 【図1】
 

太陽と地球と月の位置関係


そして、 新月、半月、満月の日、それぞれの位置関係は次の【図2】のよう。新月の時と、満月の時に太陽と月と地球が1直線に並ぶのが分かります。このことが潮汐のキーポイントです。ちなみに満ちてきて半月になった月のことを上弦の月(じょうげんのつき)、欠けてきて半月になった月のことを下弦の月(かげんのつき)と呼びます。
 
新月、半月、満月の時の月の位置関係

次に考えるのは各星の引力です。地球の引力と比べると小さいですが、月は地球の約1/6の引力を持っています。その月の持つ引力が地球にも影響しているのです。そして太陽は地球から月の距離の約400倍も離れているにもかかわらず、その引力は、月の約1/2もの影響を及ぼしています。したがって地球は、地球以外の星、月と太陽の2つの引力が働いているのです。

では、まず、新月の時に太陽と月が地球へ与える引力を見てみましょう。【図3】
新月の時は、地球から見て太陽も月も同じ方向にある事になります。そのため太陽と月の方向へグーっと引っ張られます。すると今度は反対側に、地球が太陽の周りを回っているために起こる遠心力が、月の力が弱まって強く働きます。結果、地球は正反対の両方向から引っ張られる事になります。
 
地球に与える太陽と月の引力 (新月の場合)

そうなった時に地球が柔らかければ地球の形が楕円形になるのですが、地球は固いため、それを覆っている水だけが楕円に形を変えます。【図4】 そうすると、地球を覆う水が薄くなるところと厚くなるところが出てきます。そう、潮が満ちているところと干くところが出てくるのです。この状態で地球は【図1】で説明したとおり1日に1周回ります。水はそのまま、中の地球だけが1周回ります。すると地球上の1箇所は1日で、海が厚い所、薄い所、厚い所、薄い所と、それぞれの場所を2回ずつ通過する事になります。これが、1日に2回起こる干満の差が激しい大潮(おおしお)と呼ばれる現象です。
 
地球上にある水の形


では次に満月の時はどうでしょうか。【図5】
図のようにやはり地球を挟んで1直線に並んでいるのでお互いに引っ張り合い新月の時と同じように水は楕円の形になります。よって、大潮になる事が分かります。
 

地球に与える太陽と月の引力 (満月の場合)

さて、今度は半月の場合です。半月の時は【図6】のように地球の水が引っ張られる方向がばらばらなので、どちらかの方向に片寄って引っ張られる事が無く、まんべんなく引っ張られるため水は円に近い状態になります。という事は1日で地球が1周した時に2回ずつ来る干満の差がほとんど無い状態の海を通過することになります。この干満の差が少ない事を小潮(こしお)といいます。
 
地球に与える太陽と月の引力 (半月の場合)

以上で大体の説明は終わりです。 どうでしょうか。海が高くなったり低くなったりする原因、分かりましたか?
最後に一言。説明中に、「海」と言わずに「水」と言っていたのが実はポイントです。この引力の問題は、海だけじゃなく全ての水に影響があることなのです。それは体内を流れる血液など、約70パーセントは水でできている私たち人間への影響は大有りだと思いませんか?月の満ち欠けは水にとっての時計のようなものであると私たちは考えています。月の満ち欠けと、体を照らし合わせてみてはいかがでしょうか?女性だけでなく男性の方々も。

ちょっと分かりづらいかなぁ・・・どう?
まあそれはそれで。分からなかったけど、やっぱり知りたいという人や、もっともっと知りたいという人は、図書館へレッツゴー。 (匠)