キャンバスでカヌーを包む
キャンバスを張る 
2023年4月30日(日

Wood & Canvas Canoeのキャンバスを張る段階まできました。
一枚の大きなキャンバス生地でカヌーを包むように覆い、テンションをかけて引っ張ります。

余分なキャンバスを切る

左右から引っ張り天井から突くことで、シワができないようにキャンバスをピンと張ります。
その後、必要のないキャンバスをカヌーの形に添って切り、ステンレスの釘でカヌーに打ち付けていきます。これでやっとウッドアンドキャンバスカヌー。

引っ張って釘で止める

白くて綺麗なキャンバス地が見えるのはこの段階まで。
この後フィラーという防水の下地塗料を塗ります。

フィラーを塗ったカヌー

この灰色のフィラーが乾くまで約2週間。その間に同時進行で作っているもう一艇を仕上げていきます。

山芍薬

七十二候「牡丹華(ぼたんはなさく)」、ボタンの花が咲く頃です。
はからめランドの森の奥にある山芍薬(やましゃくやく)の花が咲きました。
芍薬はボタン科ボタン属の植物です。
野生種なので栽培されている芍薬ほどの華やかさはありませんが、この可憐な花も見応えがあります。開花を楽しみに、毎日山奥へと足を運びました。花には虫を呼び寄せるだけでなく、人を惹きつける力があります。

毎週土曜日の朝に聞いているラジオ番組「ウィーク・エンド・サンシャイン」。昨日のこの番組では普段ピーター(ピーター・バラカン)さんがかけなさそうな曲が流れ、その時間の僕がグッと盛り上がったので、是非みんなにも聞いてもらいたくて。



今日の一曲 : Ramones - I Wanna Be Sedated [YouTube]

押田製材所の大展示会
昭和の日 
2023年4月29日(土

4月29日は昭和時代「天皇誕生日」でした。昭和64年昭和天皇の崩御に伴い同年より「みどりの日」と名称変更、そして平成19年に現在の「昭和の日」と名称変更され「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日」となりました。
(はからめ月の手帳より)


購入したサワラ材

先日カヌーの材料となる木を選びに材木屋さんに伺いました。
お世話になっている材木屋さんに
「いいサワラ材があったら教えてください。」とお願いしていたところ、連絡をいただきました。
サワラは軽くて水に強い木で、ヒノキのような用いられ方をする木です。かつてはヒノキの代わりに使われていたと大工さんから教えてもらったことがあります。

そんなに需要がある木でもないのか、杉やヒノキに比べて数が少なく、欲しい時にいつでも手に入るわけではありません。あったとしても節があったりすればカヌーの材料としては使えないので、選ぶ時にも慎重になります。丸太で購入するので節があるかどうかは挽いてもらうまでわからないのですが、それでも切り口や木の感じを見て「これだ!」というのを選びたいのです。

今日はその材木屋さん「押田製材所」の展示会です。
先日のサワラ材も並んでいます。展示会前に購入したので売約済みの札が。

13時からのセリには那須の友人も来ていて、初めてのセリを楽しんでいました。

イタドリの皮を剥く

山を降りる途中でイタドリを見つけました。
高知県では馴染みの山菜ですが、東北では誰も採らないようで大物がたくさん生えていました。
サイズからするにオオイタドリではないかと思います。
イタドリはシュウ酸を含み、そのままでは美味しくありません。皮を剥いて塩漬けしてアクを抜いてから調理します。コリコリとした歯応えがあってとても美味しい山菜です。
イタドリの語源は痛みを取ると何かで読んだことがあります。

たけのこご飯

山椒の葉が出てきたので、そろそろ筍の時期かな、と思って探していると、見つけました、竹藪の中から。お昼ご飯は筍ご飯とゼンマイと厚揚げの煮付け。山に食べさせてもらっています。



今日の一曲 : おしだの材木魂 YouTubeチャンネル

たんぽぽ畑
37年前 
2023年4月26日(水)

チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)から37年目です。事故原因は「極めて信じがたいような規則違反の数々の組み合わせ」とされ、現在も廃炉作業が続いています。
(はからめ月の手帳より)


OPEN JAPAN災害支援チームの報告書

OPEN JAPAN災害支援チームの報告書を匠がデザイン・編集しました。
こちらからご覧いただけます。

カヌーを吊って

カヌー工房っぽくなってきました。

ニス塗り

外側にアマニ油、内側にはニスを塗って乾燥させています。

山芍薬

数日前に森の中で蕾を見つけました。
なんの花が咲くのか気になって、日々その開花を楽しみにしています。
調べてみると、山芍薬(ヤマシャクヤク)という野生の芍薬のようです。



今日の一曲 : 1988.8.6 ブルーハーツ IN 広島 「チェルノブイリ Chernobyl」 [YouTube]

カヌーを吊るす
一粒万倍日 
2023年4月24日(月)

注文していた木材が届き、次のカヌー製作のための準備として、製作中のカヌーを置く場所が必要となります。
艇庫がないので天井につることにしました。

材料やカヌーを置くための艇庫が必要になる、ということは、いずれもう一棟建てることになりそうです。
その前にキッチンのストックヤードも、森の中の瞑想小屋も、それよりも半露天で止まっているお風呂場の続きはどうなるのか…。いつまでも作り続けていけばいつかできる日が来るのでしょうか

釘締め作業

釘を打っています。
カヌーにはカヌータックという特別な釘を2000本くらい使います。
もちろん手打ちです。

セリ

水辺のセリが伸び始めました。

セリご飯

琵琶湖のほとりの高島に住んでいたときに、ご近所さんからセリご飯を教えていただきました。
レシピでは塩で味付けしていましたが、わたしは湯掻いたセリを醤油洗いをしたものを混ぜ込んで作っています。とても美味しいのでセリが手に入ったらセリご飯オススメです。

作り方は、炊いたご飯に塩茹でして下味をつけたセリを細かく刻んで混ぜるだけ。
簡単で手早くでき彩りも綺麗で美味しいです。

シドケ、ワラビのおひたし、イタドリと油揚げのたいたん、豆腐にアサツキ。

タラノメ

タラの芽が伸びてきました。
ワラビやコゴミなど地面から生えてくる山菜からは放射能が検出されませんが、コシアブラやタラの芽など、木の芽からは今でもセシウムが検出されることがあります。
セシウム134の半減期は2年、セシウム137の半減期は30年といわれています。
タラの芽からのセシウムは国の基準値以下になったので、今では直売所でも販売されています。昨年は不検出のものもありましたし、30ベクレルくらい検出されるものもありました。

まずは放射能測定器にかけて調べてみようと思います。

コシアブラ

コシアブラも収穫しました。
放射能測定器を起動して測定するのには手間と時間がかかります。
原子力災害から12年経ち、手間と費用を考えると個人で測定する人は少なくなってきていると思います。
通常3分だったり15分で計測するところが多いようですが、わたしたちは精度を上げるため、1検体につき3600秒(1時間)で測定しています。

タラの芽 不検出。
コシアブラ 276ベクレル。 (ちなみに昨年は274ベクレルでした。)


今日の一曲 : 忌野清志郎 LOVE ME TENDER 【放射能はいらねぇ!】 [YouTube]

おひなさま
アースデイ・旧上巳の節句 
2023年4月22日(土)

1970年にアメリカで宣言された、地球環境に関心を持ち、地球のために行動する日。
毎日をアースデイとし、地球と共に生活をする人たちが増えています。
(はからめ月の手帳より)


旧暦三月三日は桃の咲く季節なので桃の節句、またかつては三月上旬の巳の日に汚れを祓う行事を行っていたので上巳の節句とも。沖縄離島ではサニチとよばれ、女性は海水に足を浸し禊をします。この日は大潮のため現在では潮干狩りをしに行く風習となっています。
(はからめ月の手帳より)


はからめランド風景

畑の準備、ビーツの種を蒔きました。
ラデッシュが発芽、コンポストからはカボチャが生えてきました。
大地のエネルギーが満ち満ちています。

バンドソー

カヌーの細かいパーツを作って仕上げていきます。

ニス塗り

カヌーのパーツとなるヨークやスウォートを作り、ニスを塗って乾かしています。

よもぎパンケーキ

山菜が出始め、日々食事を作る前には森に収穫に行きます。
この森では日々10種類くらいの野草を収穫しています。ワラビやコゴミのような山菜だけでなく、どこにでも生えている野草のタンポポやミツバも食卓にのぼります。
摘みたてのヨモギでパンケーキを焼きました。

ちいさな ほしの かけら

アースデイにおすすめ、友人の絵本です。
オススメBOOKSもご覧ください。


今日の一曲 : Soma ー 星のラブレター (Cover)  [YouTube]

エンレイソウ
穀雨・日食 
2023年4月20日(木)

二十四節気の穀雨、穀物を育てる雨が降る頃です。
日差しが伸び、日中には暑さを感じることもでてきました。植物もぐんぐん伸びています。

七十二候では葭始生(あしはじめてしょうず)、イネ科の植物である葦が芽出し始める頃です。
はからめ月のカレンダー&手帳に用いている紙も葦(アシ・ヨシ)の繊維を30%用いています。葦は成長の過程で水を浄化する作用があり、一年で大きく成長する植物です。昔からヨシズや茅葺き屋根など、日本人の暮らしに用いられてきました。
古事記や日本書紀の神話に登場する「葦原の中つ国」とは日本の呼称とされます。
かつてはどこの河川敷にも生えていた植物です。

先日苗代作りを手伝ったお隣さんのお家は茅葺き屋根、一昨年から屋根を吹き替えており、秋になると葦刈りをして冬の葺き替えに備えています。

はからめランド風景

今日は新月、そして日食が起こります。
日本では沖縄、四国、本州の一部の地域で部分日食が見られるようです。
日食とは太陽が月によって隠される現象で、新月の日にだけ起こります。

天ぷらうどん

ワラビ、ウド、タラノメなどの山菜が出始めました。
ご近所さんが背負子を持って山に入っていきます。
山に生えている植物でたくさんの美味しさを味わうことができる季節がやってきました。

デッキがつく

デッキ(カヌーの先端、ハートの部分)をつけてカヌーの形が整いました。


今日の一曲 : BJ Cole - Pavane Pour Une Enfante Defunte  [YouTube]

苗代作り
苗代づくり 
2023年4月18日(火)

「人手が足りなくて…。」お隣さんから農作業のお手伝いを頼まれました。
田舎は過疎化が進んでいます。かつてはたくさんの人数でやっていたことも、今ではご夫婦二人でやらなければならないような状況です。
朝伺ってみると、娘さんとお孫さんもお手伝いに来ていました。

苗代作り

「昔は朝の3時半くらいから始めて日が暮れるまでやっていたんだ。みんな飲みながらやって、昼には土手で寝ているやつもいてな…。」
と、お昼ご飯をご馳走になった席でどぶろくが出てきました。
「田植えのときはお祭りみたいなもんだ。」
今日は田植えではなく稲の種まき、苗代作りでしたが、
「田植えの始まりなんだから、」とまるで御神酒のような感じです。
お隣さんの種まきは機械は使わず手作業で、いつもは丸一日、もしくは二日かかっていたそうです。今日は人手もあり半日で終わりました。
「こんなに早く終わったのは始めてだ。」
お手伝いした甲斐がありました。

カヌーが型から外れる

苗代が終わった後に雨が降り始めました。
午後は工房でカヌー製作再開です。
数日かかったプランキングもほぼ終えて、夕方、カヌーを型から外しました。
これから先の作業がまだまだありますが、型が空いたら同時進行でもう一艇にとりかかることができます。焦らず丁寧に作っていますが、実は急いでいます。
2艇のカヌーを早く仕上げるために休まず手を動かしています。

いちご

この時期いちごの花が満開です。
数年前にお隣さんにも株分けしていたものが群生し、苗代づくりをしているそばに咲いていました。
いちごができるのも嬉しいですが、わたしはこの開花期の美しさが大好きで、観賞用に植えているといっても過言ではありません。



今日の一曲 : Andres Macnamara - Strawberry Fields Forever (The Beatles)  [YouTube]

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春土用入り 
2023年4月17日(月)

春の土曜の期間がはじまりました。
月のカレンダーでは青いラインで土用の期間を表しています。
春土用と書かれているのに17日も18日も青いラインがひかれていません。これはひき忘れたのではなく、土用の間日を表しています。間日とは、土用の障りがない日、土用の影響を受けない日とされていて、春土用は巳・午・酉の日と定められています。

この土用という考え方は陰陽五行思想に基づいて定められており、この五行(木火土金水)の木火金水はそれぞれ春夏秋冬にあてはめられ、その季節と季節に間にあるのが土用とされています。

ですので、春土用が終わると立夏がやってきます。夏土用が終われば立秋、秋土用が終われば立冬、なんとなく土用というものがわかってくるのではないでしょうか。

こよみの話会でもお話させていただいておりますが、教科書やテキスト(この場合はこよみの本やサイトなど)に載っていることだけではその作用を実感することは難しいかもしれません。
実際に試してみるのが一番ですが、こよみの本には土用の期間は土を犯すべからずと書かれていて「墓掘り」「井戸掘り」「柱立て」などを慎むべき、とされています。現代では試してみることも難しそうですが、大きく土を動かすこと、土を掘ることが土を犯すといわれることにように思えます。家を新築する際には土用を気にする方がいらっしゃるかもしれませんね。住宅メーカーさんに聞いてみても土用の期間には施工しないということはないそうです。土用の期間は約18日間もありますから。

では、今の時代、土用とはどんな作用に影響するのでしょうか。
まず基本に立ち返って、「土」というものを考えてみると自ずと土用の過ごし方を見出すことができるかもしれません。土とはどんなものでしょう。土の作用とはどんなことでしょう。
教科書やテキストは答えを教えてくれるかもしれませんが、なぜそうなるのか、どうすればどうなるのかまでは書かれていません。
一番大切なことは、自分で考えてみること。
答えはもう出ているのですから、その答えから遡ってなぜそうなるのかを考えると見えてくるものがあると思います。

この世界も同じかもしれません。
誰かが見つけた「この通り」を信じていますが、その考えはどのように導き出されたのか、いわれていることは正しいのか、その意味を理解して用いることができるのか。そう考えるとこの世は疑問だらけですね。
地球が丸いということだって疑問を持った人が見つけ出したのですから、多数決でないことは証明済みです。みんながそうしているから、偉い人がそう決めたから、そういう世界はもう終わりです。

「疑う」という言葉にはいいイメージはありませんが、「疑問を持つ」となると学問のはじまり、探求の旅が感じられますね。

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今日は風が強く、桜吹雪が舞っています。

お天気はいいのですがとても寒い日です。
工房の中も寒く、釘を打つ手が悴んでいます。

コゴミ

こごみが出始めたので収穫にいくと…
ヘビに遭遇しました。
お互いにちょっとびっくりです。
この森にはシマヘビ、ヤマカガシ、マムシが住んでいます。
距離を保ちながらお互いを脅かさないようにしているつもりですが、今日はなんと3匹ものヘビ(多分シマヘビだと思います)に遭遇 。こんなことはなかなかありません。
お天気もよく、地震があったりなども関係してか土の中から這出てきたのでしょうか。土用とも関係があるのかどうか、季節の移り変わりには植物や動物たちの動きを観察してみると教科書にはない学びが得られるかもしれません。

エンゴサク
( エンゴサク。湯掻いて食べます。)

山菜取りに行くときには長靴など足首まで覆うものの方が安全ですが、ヘビや虫の心配をしなくてもいいところではアーシングをして大地の息吹を感じてみるいい季節になりました。
今日の一曲はEarth Wind & The Fireのカバーをどうぞ。



今日の一曲 : Fantasy - Leonid & Friends(EW&F cover)  [YouTube]

薪・薪・薪
ニリンソウ 
2023年4月16日(日)

朝薪ストーブに火を入れてお湯を沸かし、ポットに入れて工房へ持っていきます。
そのお湯で木を熱してカヌーを作ります。

薪ストーブでは暖をとりつつお湯も沸かして料理もします。
森の生活では薪は生活に欠かせないエネルギーで、都会では電気やガスに相当するものとなります。はからめランドでは薪は体を動かして手にいれています。この時期、薪用に木を伐採したり伐採した木をいただいたりと、来年時の薪の確保も重要な仕事のひとつとなります。

木は切ってすぐには薪として使えません。半年以上、木によっては2、3年くらい乾かしてから薪として用います。薪棚に薪があるかどうかでその冬の暮らしが豊かになるかどうかが決まってくるというわけです。普段は節約して使い、お客が来た時にはふんだんに使うなど森の生活では燃料もおもてなしのひとつです。たくさん薪を使う=たくさん労働をするということになりますから、無駄に火を焚くことはありません。
山には木がたくさんあるから薪には困らないね、とよく言われますが、木から薪を作るためにはチェーンソウで木を倒し、その木を40〜50cmに玉切りし、その木を割って乾かして1年後にようやく使うことができるので、お金には換算できませんが薪にするということ自体が電気代ガス代よりも高額になります。買えば灯油よりも高く、木を切るとなると大仕事となるので、薪ストーブ暮らしの人たちは常に薪の確保をどうするかを考えています。どこかで伐採した木があるよ、薪が手に入るよ、との情報はとてもありがたいことなのです。

お金でも買えますがお金では買えないとも言える、このエネルギーの扱い方を知ると「足るを知る」ことを学ぶことができます。

薪仕事に没頭するとカヌー製作が遅れるので、ほどほどのところで折り合いをつけています。

ニリンソウ

森には次々に花が咲き始めています。
沢沿いにはニリンソウが群生し、この時期お花畑のような光景を目にすることができます。
こんもりとした緑色の小山のなかに白い可憐な花をつけるニリンソウは山野草の一種です。
有毒植物が多いとされるキンポウゲ科の植物の中でも珍しく食用となり、春の山菜のひとつとされています。

ニリンソウ

採取した花は活けておくだけでも可愛らしいのですが、お湯で湯掻いて食卓に上ります。

ニリンソウのおひたし

独特の香りがあり美味しい山菜、生えていたら必ずいただきたい野草です。
リウマチの薬としても用いられることがあるようです。
同じキンポウゲ科の植物でもイチリンソウやサンリンソウは食用にはなりません。
ニリンソウにも有毒成分が含まれているので、必ず熱を通してから使います。
お湯で湯掻いて水にさらしてからお醤油をかけていただきます。

有毒植物のトリカブトと同じところに生息し、葉の形も似通っていることから間違えやすい山菜といわれていますが、花が咲いてから採取すれば間違えることはないと思います。ニリンソウはいちごのような可憐な白い花、トリカブトは袋状の美しい紫色花をつけるので、どちらも鑑賞するには問題ないのですが、採取するには花が咲いてからにした方がよいでしょう。


今日の一曲 : milet×Aimer×幾田りら - おもかげ (produced by Vaundy)  [YouTube]

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春の野草 ヨメナ 
2023年4月15日(土)

カヌーのリブ曲げの次はプランキング作業、型に添って曲げたリブに対して垂直に木を打ち付けていきます。リブほどのきついカーブではありませんが、舟体の曲線をまっすぐの木で形作るのですから工夫が必要です。熱湯を使って木が割れないように、慎重に一つ一つ貼っていきます。


ヨメナ

晴れと雨を繰り返し、日々緑が濃くなっていきます。
ヨメナが生えてきました。
ヨメナはキク科の植物で、秋になると白や薄紫色の小さな花をたくさんつけます。
この新芽は山菜として美味しくいただくことができます。

ヨメナご飯

新芽を摘んで塩を入れたお湯で湯がきます。
さっと水に通して色止めし、軽く絞ります。
細かく刻んでお醤油を垂らし軽くアク抜きし、炊き立てのご飯に混ぜればヨメナご飯の出来上がり、ゴマをかけていただきます。

はからめランド風景

春菊のような独特の香りがしますが、春菊よりも軽く爽やかでとても美味しい春の山菜です。
キク科の野草は何種もあり試してみましたが、無毛で美味しいのがヨメナです。
見分け方は、新芽の茎の部分が赤紫色を帯びているかどうか。ノコンギクなどそっくりのキク科の野草も同じところに生えていて食べることができますが、少し産毛がありやはり美味しさではヨメナにはかないません。

ヨメナは万葉集にも登場するほど昔から食されてきた植物です。
カリウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、鉄などの栄養素を含み、解熱、解毒の効のある薬草との記述もあります。


今日の一曲 : 般若心経ハンドパンRemix [YouTube]

スチームベンディング
春の野草 つくし 
2023年4月14日(金)

日々カヌー製作を進めています。
一艇目を作ったことで見えてくること、二艇目を作らなければ見えてこなかったことがあり、トライアンドエラーの学びがあります。
カヌーの肋骨となるリブと呼ばれるパーツを蒸し曲げしています。
木の種類によっても曲がり具合が異なりますが、同じ種類の木でも木目や重さに違いがあり、毎回同じではないということが生き物を扱っているのだという気持ちを呼び起こしてくれます。

アイヌの考え方では道具にも魂が宿るといいますが、どのように扱うかによってその魂の込められ方が異なるということが実感できます。簡単にいえば 、そのモノの個性を感じてよい部分を伸ばそうとする、よいところを使わせてもらおうとする、まるで友だちと接するようにだんだんわかり合っていくというような過程を感じます。一人の人が一つのモノを最初から最後まで作り上げるという工程を経て完成するので、その感覚はとても繊細です。そのカタチとしてのカヌーに乗り手の魂が込められたときにはじめて動くものがカヌー、カヌーは乗り物ですから、まさにそのときが作り手の終わりであり持ち主のはじまりのときとなります。創造主がカタチをつくり魂がそこに宿る、
まるで宇宙の仕組みを工房の中で行っているようでもあります。

つくし

工房の前にはたくさんのつくしが生えています。
関東以西ではもう終わりでしょうか。東北地方にはこれから出てくる野草です。
はからめランドではそろそろ終わりの頃、今年最後のつくしを摘みました。
つくしは土筆と書くくらい、土の中から直立する筆のように生えてきます。
まだ他の野草が出始める前に最初に生えてくる植物のひとつで、青々と繁るスギナの胞子茎です。つくしの生えるところにはその後スギナが生えてきます。

つくしの袴を取り水で洗う

つくしの食べ方は至って簡単です。

まず袴をとります。
水でよく洗い、
熱湯をかけて苦味などのアクを抜きます。
水にさらして下準備します。

これを佃煮にしたり油で炒めたり卵とじにして食べるのが一般的です。
天ぷらにする場合は袴だけとってアク抜きせずにそのまま衣をつけて揚げるだけです。

つくしの佃煮

つくしのパスタも美味しいですが、一番スタンダードなのは佃煮でしょうか、しょう油と味醂で煮付けます。
ほろ苦さと歯応えがなんとも言えずつくしっぽい、春になったら一度は食べたい野草です。
つくしにはビタミンE、ビタミンC、βカロテンが豊富に含まれています。
栽培されることはほとんどないので、野生そのものを丸ごといただけるのも嬉しいですね。

春に芽生えてくる食べられる野草は、大地と体への挨拶のような気がして一度はいただきたいと思っています。



今日の一曲 : Rhiannon Giddens ー At The Purchaser's Option [YouTube]

よもぎ
春の薬草 よもぎ 
2023年4月13日(木)

はからめランドにも春の陽気が満ちてきました。山桜が咲き、草木が芽吹き、緑が地面を覆いはじめています。
冬を乗り越えて生えてくる植物の芽吹きにはエネルギーが溢れています。
緑の中でも特に目をひく、深みを帯びた色のよもぎは全国に自生している薬草のひとつです。

その効能は老廃物を排出してくれるだけでなく、血を綺麗にする浄血作用、貧血を防ぐ造血作用、腸内環境を整える整腸作用、クロロフィルによるコレステロール値を下げる作用など多岐にわたります。最近ではがん細胞を破壊する働きがあると話題にもなっていますね。

お灸のもぐさの原料としても知られており、よもぎ蒸しや入浴剤としての外用効果も期待できます。

別名モチグサともいわれ、草餅の原料としても使われているので簡単においしく食すことができるのも日本人の生活の知恵だと思います。

よもぎケーキ

草餅や天ぷらもおいしいですが、簡単にたくさんのよもぎを食すために春になると毎年よもぎのパウンドケーキを焼きます。たくさんのよもぎを一度においしく食べるためのレシピです。

粉 100g(小麦粉でも米粉でも)
よもぎ 60g (茹でてペースト状にしたもの)
バナナ 2本 (完熟しているものがおすすめ)
卵 1個 (ヴィーガンでしたらなくても可)
メープルシロップ 大さじ3(砂糖でもはちみつでもお好みで)
油 30cc (バターでも植物油でもお好みで)
ベーキングパウダー 4g
重曹 2g
レモン汁少々(入れなくても可)

170度に予熱したオーブンで45分くらい焼きます。

よもぎケーキ

今回は油を20ccにして酒粕15gを入れてみました。
ベーキングパウダーか重曹、どちらかだけでもできます。
生地が硬そうだったら豆乳を入れたり、トッピングにクルミを入れたり、いろいろアレンジしてもおいしくできるのがパウンドケーキのいいところです。

甘さ控えめよもぎ多めのレシピなので、もっと甘く、よもぎを少なくしてもいいと思います。

緑の風景

自然から生えてくる薬草は農薬も肥料も温度管理も必要としません。
季節になったら自然と生えてきて、出始めは虫にも食べられることなく元気に葉を伸ばします。
柔らかい新芽を摘ませてもらえば脇目から次々に生えてくるので絶滅する心配もありません。
植物との対話を楽しみながら、春の季節を味わってみてくださいね。



今日の一曲 : Anoushka Shankar − Lasya [YouTube]

作業風景
カヌー製作の日々 
2023年4月10日(月)

最近、自分なりに早起きをしています。目が覚めたらまず手帳を広げるように心がけるようになりました。まだ夢のことを覚えていたり、夢現(ゆめうつつ)の状態で考えたことをメモしておいたり。そして今日やることを確認して1日が始まります。皆さんは手帳をどのように活用されているでしょうか。

ガンウェルを曲げる

4月はカヌー製作に時間を使っています。だんだんとカヌーを作りやすい工房になっているのを感じます。今後、何度も同じことをするので、どの場所でどのように行うのが効率が良いかなどなど、今だけのためではなく今後につながるように妥協をせずに今の時間を使うように心がけています。

デッキを曲げる

木を曲げる作業が多いのがカヌー製作の特徴ともいえます。木を曲げるためには、前日から水に漬けておき、曲げる前にお湯を沸かして、その蒸気を使って数十分蒸します。蒸した材は型に曲げつけて固定し、時間が経つとその形で固まる、簡単にいうとそんな感じです。
いろいろなパーツを曲げるので、いろいろな型が必要となりますが、今まで準備をしてきたものがあるので、だんだんスピーディーになってきています。

ヨークを削る

ひとつひとつの作業を焦らず確実に・・・、完成したこのカヌーに乗る人たちのことを思いながら自分の時間をカヌーに込めていきます。
音楽を聴きながら作業をすることが多いのだけれど、どんな音楽を聴きながら作るのかでカヌーに込めるイメージも変わってくるような気がしちゃうのが面白いです。ここ最近工房に流れている(流している)音楽はNeil Youngが多いので、時代の流れに惑わされず我が道を進むカヌーになるんじゃないかなって思っています。(匠)



今日の一曲 : Neil Young - Heart of Gold (Live) [YouTube]
2023年5月<  >3月